買物リストを作ることも「逆算」です

 もうひとつ、もっと身近な例をみてみましょう。

「今夜はスキヤキ!」と決めたとしましょう。あなたならどうしますか?

 私だったら家にある食材や調味料をチェックし、買う必要があるものをリストアップします。いつも行くスーパーのレイアウトは頭に入っているので、入り口からレジまでのレイアウトにあわせて買物リストの項目を順番に並べておきます。こうしておけば動きに無駄がなく、テキパキと買物をすることができます。

ふだんの仕事や暮らしの中で、あなたも無意識に「逆算」しています

 こういう買物リストを作ることも「逆算」です。

 何を作るかを決めて(=未来を決める)、そのために必要なことを「逆算」して、行動する(=買物に行く)。

 もし、家族のお祝い(誕生日とか)であれば家族の好きなものを多めに用意するし、来客のおもてなしだったらお肉を奮発するかもしれません。なんとなく食べたいなという程度であればリーズナブルなお肉をチョイスするかもしれません。

「こうありたい」という得たい結果によって、必要なことが変わり、何をするかも違ってきます。

 何を作るかを決めずに買物に行ったとしたら、その場の思いつきや特売品という他者の思惑に左右された結果となります。

 もちろん、そういう成り行き任せが悪いわけではありません。「なんでもいい」場合は、それでいいのです。

 けれども、「こうありたい」(この場合は「スキヤキが食べたい!」)を実現したいのであれば、必要なことを「逆算」して計画を立て、計画に沿って行動していくほうがいいのです。

 これからご紹介していくのは「なんでもいい」「どうでもいい」生き方ではなく、「こうありたい」「こうだったらいいな」を実現していく生き方です。

コボリジュンコ
「逆算手帳」考案者、GYAKUSAN株式会社CEO
大学卒業後、システムエンジニアとして8年勤務。その後、フリーランスを経て2004年にウェブサイト制作会社を設立。
会社設立前後の多忙すぎる日々に耐えきれず、わらにもすがる思いで手帳を使い始めたところ、その効果を実感し衝撃を受ける。
手帳でスケジュールやタスク管理をする一方、ワークスタイルやライフスタイルを見直して、理想の生き方・働き方を模索するようになった。著書『1年後の毎日が変わる!あなたの夢を叶える「100年日記」』の出版記念セミナーで、多くの人が5年後の自分をイメージできないこと、逆算で考えられないことに愕然とし、逆算思考を体系化できないかと考えはじめる。
試行錯誤の結果たどり着いたのが「逆算手帳」で、2016年に商品化。Amazonで販売したところ、クチコミでたちまち完売。
おもな著書に『願いをかなえる!逆算手帳術』(監修・宝島社 2018年)、『1年後の毎日が変わる!あなたの夢を叶える「100年日記」』(大和出版 2015年)がある。