5.「自己主張」ができる人材
営業副部長の永徳直己は、当社の新入社員の特徴を、次のように感じています。
「若い世代を見ていると、自分のやりたいことがはっきりしていて、それをきちんと表現できる子が多い印象です。
職人の世界は、少なからず『上の言うことが正しい世界』で、白いものでも上の人が『黒』と言えば『黒』でしたが、今の若手は『いや、それは黒ではなくて、白です』と異を唱えることができる。
まわりに流されず、たとえ相手が上司であっても、『自分は、こう思う』と臆せずに言うことができます。
社員がみんな横並びである必要はありませんから、自己主張できることは、とてもいいことです」(永徳)
製造部のプログラマーである大津碧は、京都工芸繊維大学大学院在学中に、構造生物学の研究をしていました。
「病気の原因となる病原菌の形」を解析していたそうです。
分野としては、薬学の創薬に近くて、鉄工所とは縁遠い。
それなのに彼女がヒルトップを選んだのは、「ヒルトップに無限の可能性を感じたから」だと言います。
「会社説明会で、副社長の話を伺ったとき、『この人もこの会社も、ビジョンを明確に持っている』と感じました。
大学院で勉強してきた分野とはまったく関係ありませんでしたが、それでも、『この副社長と一緒に働けば、新しい世界に踏み出せるのではないか』という期待感を覚えたんです。
この会社には、開発部もありますし、可能性が無限に広がっていて、私が『やりたい』『やらせてほしい』と本気で主張すれば、本当にやらせてもらえる環境があると思います」(大津)
また、製造部の塚本無我は、「ヒルトップの一番のセールスポイントは、やりたいことを自分で探せること」だと話しています。
「『やりたいこと』であれば、どんなに忙しくても、キツくはありません。
けれど、『やらされている仕事』は、本当につまらない(笑)。
もちろん、『やらされている仕事』もありますが、ヒルトップであれば、仕事のやり方をアレンジしたり、工夫したりすることが許されているので、知的好奇心を満たすことができます。
以前、ネジの加工をしたときに、ムカッとしたことがありました。
出来上がったネジに対して、『このネジはキツい』とか、『いや、ユルい』とか、人によって言うことが違っていたんです。
私は、『どういうこっちゃこれは。キツいとかユルいとか、そんなの感覚やんけ。ネジには規格があるのに、感覚で話をすると相手には伝わらない。これはなんとかしてやらないと』と思って、ネジの『合わせ』を定量化することにしたんです」(塚本)
塚本は、省庁に質問状を出したり、協会に電話で問い合わせたり、文献を読みあさったりしながら、約1年かけて、「キツい、ユルい」という感覚の数値化、定量化に取り組みました。
「その間は、機械1台使って、実験に没頭していました。
1円にもならないことをやっているのに、副社長は文句を言わないんです。
『自分のやりたいことができるって、すごく幸せなことやな。この会社を選んで間違いなかったな』と実感しています」(塚本)