リモートワークは「段取り」が大事

リモートワークを時間内に確実に終わらせるコツ―「段取り」で仕事は劇的に変わる水野学(みずの・まなぶ)
good design company代表
クリエイティブディレクター、クリエイティブコンサルタント
ゼロからのブランドづくりをはじめ、ロゴ制作、商品企画、パッケージデザイン、インテリアデザイン、コンサルティングまでをトータルに手がける。
おもな仕事に、相鉄グループ「デザインブランドアッププロジェクト」、熊本県「くまモン」、中川政七商店、久原本家「茅乃舎」、イオンリテール「HOME COORDY」、東京ミッドタウン、オイシックス・ラ・大地「Oisix」、興和「TENERITA」「FLANDERS LINEN」、黒木本店、NTTドコモ「iD」、農林水産省CI、宇多田ヒカル「SINGLE COLLECTION VOL.2」、首都高速道路「東京スマートドライバー」など。著書に『「売る」から、「売れる」へ。水野学のブランディングデザイン講義』(誠文堂新光社)、『センスは知識からはじまる』『アウトプットのスイッチ』『アイデアの接着剤』(すべて朝日新聞出版)など、共著に『世界観をつくる』(朝日新聞出版)がある。

――リモートワークにおいては、特に「段取り」が大切だと感じます。

段取りがなければ、いきあたりばったりの仕事になってしまい、夕方になって「今日は何もできなかった!」と焦ることもしばしば。

書籍『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』の中で、「仕事の目的を定め、きちんと計画し、あらゆる突発的なことも先回りしながら、時間どおりに実現させる。

ストレスなく仕事が順調に進むのは、きちんと『段取り』をしているから」と水野さんと書きました。

リモートワークでは「段取り」がないと、無駄な時間が増え、無目的にダラダラと、いつまでも仕事をしてしまうこともあります。

水野 結局やっぱり、「一体全体、家で何をしているんですかって」いう、問題にぶつかります。それをなくすためにグッドデザインカンパニーでは1つのルールを決めました。

無駄な仕事時間を減らす
たった1つのルール

――無駄な時間をなくすために、どんなルールを決めたのですか?

水野 リモートワークがきっかけで、スケジュールを公開するようにしたんです。全員のスケジュールを前の日までに、全員にLINEするという、いたってシンプルなルールです。

――たったそれだけですか? 本当にシンプルですね。

水野 はい。これまでは、スケジュールについては、ほとんど個々人に任せていました。

もちろん、公開するといっても、スケジュールを立てるのは今までどおり自分たちですが、人に見られるということから、これまで以上にきちんとスケジュールを立てるようになったんです。シンプルなルールではありますが、劇的な効果がありました。

――具体的にはどのような効果ですか?

水野 グッドデザインカンパニーの勤務時間は10時から19時までなんですけど、20時までで、全員仕事が終わるようになってきました。

――残業時間がゼロになったということですか?

水野 残業がゼロになったわけではありません。もう少しやりたいっていう人もいます。

その場合、夜遅くまでやるのは原則ダメですが、朝であればOK。朝の8~10時までに残業を先取りするというイメージです。

――なるほど、でも私は朝早く起きるのが苦手です…。

水野 みんなも朝起きるのが嫌みたいで、なるべく朝の残業はしたくないみたいです。

そうなると、しっかりスケジュールを立てて、20時までに終わるように、おのずと工夫をするようになりました。