「時間ボックス」には休憩時間も入れる
――時間までに仕事が終わるコツはありますか?
水野 その段取り力っていうのは何かっていうと、「時間ボックス」の考え方です。それを徹底的にみんなやっています。むしろリモートワークにおいては、1日の勤務時間のほとんどが自分の時間ですから、予定は立てやすいはずなのです。
「1日」というサイズの「箱」に、「これと、これと、これをやれば完成」という仕事のタスクをはめ込んでいく、これが「時間ボックス」の考え方です。
(「時間ボックス」の詳細については、第7回の記事を参照ください)
――たしかに、これまでは急な用事を頼まれたり、朝、電車が遅れたりして、予定通り仕事が進まなかったこともありました。それゆえ、「時間ボックス」にタスクを収めても、はみ出してしまって、うまくいかないこともありました。リモートワークだからこそ、時間ボックスを活用して、自分のタスクにかかる時間を正確に見積もって埋めていく練習ができそうです。
水野 電話が鳴って取りました、お客さまが来てお茶を出しましたといった言い訳ができない状況がリモートワークです。
だからこそ、1日に3個、4個ぐらい、「時間ボックス」に予備の時間を必ず入れましょう。
予備の時間は休憩したり、会社の人とのメッセンジャーなどを使ってちょっとしたやり取りをしたり、簡単なメールを送ったりする時間に充てるのです。
たったこれだけの工夫で、これまで無自覚のうちに残業していたという人も、時間内に仕事を終わらせることができるようになりました。
「段取り」は、リモートワークの今こそ鍛えるべきビジネススキルだと思います。
当然、自分が立てた時間の中で、基本的にはやらなければいけませんから、毎日続けていくことで、みなさんの「段取り力」はさらに磨かれていくと思います。
ぜひ実践していただけたらと思います。
※次回は、「リモートワークで仕事の非効率を解消する方法」について伺います(2020年9月1日公開予定です)