妙清寺(東京) 投稿者: @1031_415 [9月13日] 拡大画像表示

周りがしっかり見えていますか?

 これは「急ぐ」と題された谷川俊太郎さんの詩を少しアレンジした掲示です。

 「こんなに急いでいいのだろうか」という問いかけから始まり、時速200kmで通り過ぎる新幹線からは、田植えをしている人の手元が見えない、心を思いやる暇もないと続きます。 このスピードでは、速すぎて、人々の感情すらも流れゆく風景のように去って行く……。

 わたしはこの掲示を見たとき、果たしてこれは新幹線の中からだけなのだろうか、と思いました。

 普段の生活の中でみなさんは今、周りがしっかり見えていますか?

 忙しすぎて見えていないのではないですか?

 悟りを開かれたお釈迦さまは「覚者(かくしゃ)」とも表現されます。英語で言えばAwakend One(目覚めたもの)。つまり、すべてが見えている存在です。

 それに対して、わたしたちはすべてが見えていると思い込んでいるだけで、新幹線の中からの風景のように、ぼんやりとしか見えていません。ある意味、谷川俊太郎さんの表現を借りると、「間が抜けている」状態ともいえるでしょう。

長壽寺(長崎) 投稿者: ojika_choujuzi  [9月30日]

目を覚まして自己を見つめる

 「家族と過ごすこと 
 親から愛されること 
 今生きていること 
 当たり前なんてない
 目を覚ませ」

 この標語は強烈な言葉ですね。

 日々を忙しく過ごしていると、新幹線の中からの風景のように、周りのものがしっかり見えなくなります。私たちは毎日、実に多くの人や物に支えられながら生きています。自分はものすごく恵まれている存在なのです。それが当たり前になってしまい、見えなくなっているのではありませんか?

 だから「目を覚ませ」と。その事実をいつもしっかりと自分で見る(認識する)ことができるようになれば、どんな辛い状況に置かれても幸せなのかもしれません。

(解説/浄土真宗本願寺派僧侶 江田智昭)