ホンダ・ソフトバンクの共同研究
AIでクルマと対話

 まず、2016年7月にホンダの本田技術研究所とソフトバンクグループは、クルマに人工知能(AI)を生かす共同研究を始めたと発表。クルマを単なる移動の道具ではなく、AIで感情を持って「対話する家族」のような新しい価値づくりを目指すというのが発表内容だった。両社の提携発表とともに、ソフトバンクグループが都内ホテルで開いた法人向けイベントで、孫正義社長が壇上に迎えたのが、松本宣之本田技術研究所社長(ホンダ専務)だった。

 ホンダの次世代車構想としてAIが相棒のように運転手の感情を読み取り、話しかけたりする動画を披露した上で、松本社長は「データ活用は、我々の想像を超えて加速している。人の役に立つコトづくりも大事になる」と語っている。

 当時、「クルマは走るスーパーコンピューターになる」と自動車産業への関心を強める孫社長の期待に応えたのがホンダだったのだ。

 昨秋の東京モーターショーでのホンダのコンセプトカーにはソフトバンクと共同開発したAI技術でドライバーの感情やクセを読み、運転を支援するシステムが搭載されてもいた。

 これに続くホンダ・ソフトバンク提携の第2弾は昨年2017年11月に発表された。第5世代移動通信システム(5G)の普及を想定し、モビリティとさまざまなモノがつながるコネクテッドカー技術の共同研究だ。ソフトバンクがホンダの北海道・鷹栖のテストコースに5Gの実験用基地局を設置し、5G環境下での共同研究を進めている。

 このように、ホンダは自前で埼玉県・和光にAIを含めた先進技術の研究拠点を持ち、米シリコンバレーや中国、欧州のドイツにも研究拠点を展開している一方で、「お互いにウィン・ウィンなら積極的に協業していきたい」と外部との提携も進める方向転換を図っている。

 ホンダはさらに、GMやソフトバンクの他にも東南アジアの配車アプリ最大手、シンガポールのグラブにも出資しているのだ。

 今回、トヨタとソフトバンクは、豊田章男氏と孫正義氏という誰もが知る両トップのビジョンの一致で、一気に合弁会社「モネ テクノロジーズ」設立に走った。