日中関係は20年間よくならないと
20年前の1998年に予測
安倍晋三首相は10月25日、約7年ぶりの中国公式訪問のために羽田空港を飛び立った。
中国滞在中には、「日中平和友好条約締結40年」の記念レセプションに出席してスピーチを行うだけでなく、習近平国家主席や李克強首相などとも会談することになっている。この訪問を中国メディアは「中日合作新時代」、日本メディアは「新たな次元の協力」と受け止め、評価している。
20年前の1998年、私は講演や著書の中で初めて「これからの20年間、日中関係はよくならない」という予測を発表した。この予測は当時、中国国内の知日派の学者たちから「悲観的に見過ぎている」と批判されたほど異色だった。
2004年11月、参議院国際問題調査会で、日中関係に関する参考人として呼ばれた際も、「これからの20年間、日中関係はよくならず、いろいろな試練に直面するだろう」と述べた。
アジアでは長い間、1つの強大国が他の国々を引っ張っていくという時代が続いた。かつては中国が強大国だった。だが、近代に入ってからは日本が、国力の衰弱した中国に取って代わり“アジアの雄”となった。