部品メーカーにも
再編の動き
次世代車の開発競争は、自動車メーカー間の合従連衡とITやAIなど異業種提携が進む中で、サプライヤーと言われる部品企業もそこに割って入る形で、再編の動きが慌ただしくなってきた。
ここに来て、日本の大手部品企業であるカルソニックカンセイの親会社であるCKホールディングスが欧米自動車メーカーであるフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の自動車部品部門マニエッティ・マレリを買収。続いて日立製作所は子会社のカーナビゲーションシステムの大手、クラリオンを仏部品大手のフォルシアに売却することになった。
カルソニックカンセイは、マレリと経営統合することで部品売上高世界10位クラスのメガサプライヤー入りすることになる。一方のクラリオンは、部品売り上げ世界8位のメガサプライヤー仏フォルシアの傘下に入ることで、次世代車開発の一翼を担って生き残りを目指す。
カルソニックカンセイとクラリオンは、ともに日産系の主力部品企業の位置づけであった。だが、日産のゴーン体制以降の「ケイレツ解体」でカルソニックカンセイは米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の100%出資を受け、クラリオンは日立の63%出資を受け子会社となっていた。
一方、トヨタ系の主力サプライヤーであるデンソーやアイシン精機などが、自動運転や電動車関連の開発会社の設立を発表するなど、トヨタグループもサプライヤーの位置づけを変革する動きを見せている。
世界の自動車部品の大手企業は、メガサプライヤーと呼ばれ売上高1位が独ボッシュ、2位が日本のデンソー、3位がカナダのマグナ、4位が独ZF、5位が独コンチネンタル、6位が日本のアイシン精機、7位が韓国の現代モービス、8位が仏フォルシア、9位が米リア、10位が中国の華域汽車系統、11位が仏ヴァレオと続く。
以上が2兆円以上の売上規模を持ち、トップのボッシュ5兆9300億円から5位のコンチネンタルまでのトップ5は、4兆円以上を売り上げて中堅の自動車メーカーの売り上げをしのぐものとなっている。