最初にグランドルールを決める

「カエル会議」の開催が決まったら、まず最初にグランドルールを設定します。
建設的な「カエル会議」にするために、メンバーに守ってほしいことを明示するのです。私たちは、次のようなルールを設定することをおすすめしています。

(1)年齢・役職にかかわらず発言していい
(2)相手の意見やアイデアを否定しない
(3)テーマや議題は、毎回自分たちで考える

 お気づきのとおり、(1)と(2)は「心理的安全性」に関するルールです。「働き方改革」はチームの協働作業ですから、グランドルールで「心理的安全性」を保証しておくことは非常に重要なポイントです。

 メンバーの主体性を保証する(3)のルールも大切です。メンバーたちが問題意識をもっていることについて議論して、解決策を導き出すというプロセスを踏まなければ、誰も本気で実行しないからです。逆に言えば、あまりマネジャーがテーマや議論を主導しすぎないほうがいいということでもあります。

 もちろん、「カエル会議」をスタートさせるタイミングでは、マネジャーがある程度会議の方向性をリードする必要がありますし、議論が膠着状態に陥ったときなども、マネジャーが打開策を打ち出す必要があるでしょう。ただし、その場合でも、マネジャーはあくまでも議論の方向性を示すだけ。議論の行方をコントロールしようとしたり、結論を押しつけようとせず、メンバーの主体性を尊重するようにしてください。

 また、チームで話し合って、先ほどの3つのルール以外のルールを設定してもいいでしょう。たとえば、「議論が脱線しているときは、みんなで声をかけ合って修正する」「ほかの人が発言しているのを遮らない」などのルールをつけ加えると有意義だと思います。

 そして、「カエル会議」は楽しみながら行うのがコツです。
「よりよいチームの未来」をつくりだすための会議ですから、ふだんの会議とは違う雰囲気で行うほうがいいでしょう。業務上不可欠な会議ではなく、あくまで自主的な会議なので、メンバーが楽しめなければ長続きしません。

 場所は、景色のよい社外のミーティングスペースなど、ふだんとは違う場所で行うのもひとつの方法です。BGMをかけたり、アロマを用意してリラックスした雰囲気を演出するのも効果的。またコーヒーやお菓子を用意して話すようにすると、自然と「カエル会議」は盛り上がっていくでしょう。

 大切なのは、あまり真面目になりすぎないこと。楽しみながら、明るい未来をみんなで共有できるように努めてください。それが、「カエル会議」を成功させる最大の秘訣なのです。