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 日本銀行の金融政策が極めて分かりづらい。

 将来の金融政策を予想する上で、インフレ率や需給ギャップの動向だけでなく、金融政策の副作用が政策に大きく影響し始めているためである。

 2016年9月のYCC(イールドカーブコントロール、長短金利操作)導入も、2018年7月の「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」も、金融緩和の継続がもたらす副作用の軽減が政策の主眼だった。いずれも、景気やインフレに対応した措置ではない。

 金融政策の運営で常に副作用を意識することは必要だが、政策反応関数を考える上で、副作用を明示的に、あるいは直接的に考慮しなければならなくなっているのは、日本銀行だけではないか。

 このことはすでに、限界に近い、あるいは限界を超えた金融政策が実施されていることを意味するのだろう。

金融政策の効果の本質は
将来の需要の前倒し

 まず認識すべきは、金融政策というのは、効果があってもその本質は「将来の需要の前倒し」にすぎないということだ。

 新たな付加価値が生み出される訳ではない。金利低下によって、企業や家計の支出が増えているとすれば、それは、将来、行われるはずだった支出が前倒しされているからに他ならない。