後を受けた瀬戸氏は、それまでの海外への拡大路線を大幅に修正し、不採算事業の整理に乗り出す。また、旧来のトステムやINAXなどの製品ブランドを復活させ、「愛社精神」の醸成に取り組んでもいた。連結売上高約1.7兆円、社員数8万人以上に変貌した巨大組織の束ね直しに努めていた。

気に入らないからクビ?

 新体制の発足に先立ち、10月31日に開かれた会見では、瀬戸氏が「正直に言って残念」と無念さをにじませた一方で、潮田オーナーは「再び、積極経営に転じたい」としれっと述べていた。絶対的な権力を持つ潮田オーナーと並べば、瀬戸氏も雇われ社長にすぎない。だが、2人のプロ経営者を生かせなかった原因は、中途半端に経営を任せた潮田オーナーにある。

 社長交代の発表を受けて株価は下がった。社内からは「信頼関係ができていなかったのではないか」との批判の声も漏れてくる。図らずも企業統治不全を露呈した格好だが、近年は海外から指令を出していた2代目に、経営の当事者であるという自覚はあるのか。はなはだ疑問だ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 池冨 仁)