これは、今夏、倖田來未が2010年にカバーしたラッツ&スターの往年のヒット曲「め組のひと」がTikTokで大ブレイクしたことも影響している。「女子高生は、倖田來未は知っているがラッツ&スターは知らない。TikTokを通じて名曲のリバイバルを期待している」(AWA・小野哲太郎代表取締役社長)。

 TikTok独自の広告ビジネスにも、企業が熱い視線を注いでいる。単にCMを流すのではなく、利用者に素材を提供して投稿させ、拡散してもらう仕組みを作っているのが特徴だ。

 サントリー食品では、新商品のペプシJコーラの広告として、TikTok内で「#わっしょいジャパン」とハッシュタグをつけてお祭りダンスを投稿するキャンペーンを展開。タレントの動画を掲載したところ、「#わっしょいジャパン」でのアプリ内投稿数は2万件、動画の累計再生数は約1800万回を記録した。

 サイバーエージェントでは、Abema TV内の人気番組「今日、好きになりました」の宣伝として、番組のテーマソングを使用した「今日好きダンス」を同番組内の高校生メンバーが考案し、公式Instagramなどで拡散。中高生がこぞってそのダンスを自分で踊ってTikTokに投稿し、キャンペーン期間中の番組視聴数は通常より160%アップした。ここからも見られるように、TikTokをうまく利用できれば、従来型のマス広告とは全く違う形でのプロモーションができるというわけだ。

 TikTokの広告効果が高いのは、「従来型の広告と違って、TikTokの世界観に合わせて全く新しい作り方がなされている。エフェクトをかけてストーリーを作り、いやらしくなく広告を入れられるからだ」とユーザーローカルの伊藤将雄氏は指摘する。一方的に宣伝される商品をただ見るだけではなく、ダンスやアクションなどを通じて、気づかないうちにユーザー自らが真似してアップすることで拡散させるわけだ。YouTubeで100万再生を達成するには数ヵ月かかることが多いが、TikTokでは5日で100万再生という事例も出ており、その爆発力は尋常ではない。