「日本型軽減税率」のほうが
まともなアイデアだ

 思い起こされるのは、今から3年以上前の15年9月、財務省が提言した「日本型軽減税率」だ。

「買い物時に消費者は10%を支払うが、飲食料品に関しては、後から一定割合分を払い戻す。ただし低所得者に限定する」という案を提案した。下図のような仕組みだ。

 核となるのは、会計の際にマイナンバーカードを店舗の端末にかざし、カードに記載されたICチップを読み取ることで本人確認をすることだ。

 最大のメリットは、マイナンバーカードを所得情報と結びつけることができるので、「還付対象者を一定の所得以下に絞ることができる」点である。

 消費段階だけで判断できるので、あらゆる取引段階で大きなコストを生じさせる軽減税率に比べて、事業者のコスト負担ははるかに少ない。外食サービスも対象に含めていたので、線引きの問題(混乱)は生じない。

 なにより、もう1つの政策目標は、マイナンバーやマイナンバーカードの普及だった。

 当時は、マイナンバーカードの普及が十分ではないことや、カードをかざすとマイナンバーが漏れる可能性があるという国民のプライバシー上の不安(番号を使うわけではないのでこれは誤解で)などから反対があったが、今から考えれば、はるかにまともなアイデアだった。