USMCAに署名するトランプ大統領、メキシコのペニャニエト前大統領、カナダのトルドー首相
米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に署名する米国のトランプ大統領(中央)とメキシコのエンリケ・ペニャニエト前大統領(左、11月末に退任)、カナダのジャスティン・トルドー首相(右)
Photo:AP/アフロ

 米中貿易戦争、いわゆる「新NAFTA(北米自由貿易協定)」である米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)、英国の欧州連合(EU)離脱(Brexit)──。

 このように、貿易の枠組みを揺るがす要因が世界的に次々と現れている。企業がこういった状況に対応するには「関税エンジニアリング」が重要となっている。

 関税エンジニアリングとは、各国の関税の変化や新たに締結された自由貿易協定等々を詳細に研究して、先を読みつつサプライチェーンを戦略的に再構築したり、各国政府に部品や製品への関税適用除外、または軽減を要請するロビー活動を行ったりすることである。

 先日米国に出張した際、貿易の専門家から聞いた話によると、昔からグローバル化している米企業は関税エンジニアリングの経験も長く、政治情勢を見ながら過去の状態に固執せず、さっさと頭を切り替えていく傾向が強いという。

 ドナルド・トランプ米大統領が激怒することが明白でありながら、米自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)が先日、米国内工場の閉鎖を決定したのもそれに当たるだろう。米アウトドア用品コロンビアスポーツウェアカンパニーの本社では、最近は関税エンジニアリングの会議がほぼ毎日2回ずつ行われているそうだ。