「長所と短所」はコインの裏表
「チームの素晴らしいところ」について意見が出尽くしたら、グルーピングをしたうえで、「私たちのチームの素晴らしいところについて皆さんから多かったのは、『〇〇』と『○○』ということですね。それ以外にも、『○○』とか『○○』といった意見もありました。こうした素晴らしい点を、これからも大切にしていきたいと思います」などと、多数意見だけでなく、少数意見も承認しながら総括するといいでしょう。
なお、その際に、自分のもっていきたい方向に誘導するような総括の仕方ではなく、あくまでもさらっと客観的なスタンスで総括するように注意しましょう。
その後、「チームのもったいないところ」に移行します。
マネジャーは、「では次に、このチームについて『もったいないな』と思うことを付箋に書いてください。先ほどと同じように、主語は『チーム』にするようにしてください」などと呼びかけます。「これから、みんなでもっとよいチームにしていくために大切なことなので、ぜひ率直な意見をお願いします」とつけ加えることによって、単なる「不満出し」ではなく、あくまで「よりよいチームにしていくための意見がほしい」という趣旨を強調するといいでしょう。
やってみるとおもしろいのは、「素晴らしいところ」と表裏一体の意見が多く出されることです。たとえば、次のようなイメージです。
【素晴らしいところ】「経験豊富なメンバーが多く、相談に乗ってもらえる」
↓
【もったいないところ】「経験豊富な人に業務が集中している」
【素晴らしいところ】「他部署に比べると、"課内飲み”が多く、コミュニケーションがとれている」
↓
【もったいないところ】「"課内飲み”に参加できない人もいるので不平等」といった具合です。
つまり、「素晴らしいところ」を残しつつ、「もったいないところ」を解消するアイデアが求められるケースが多いということです。
そして、意見が出尽くしたら、みんなでグルーピングをしたうえで、その付箋を眺めながら、「どんな意見が多かったかな?」とメンバーにコメントをうながし、「たしかに、『○○』と『○○』という意見は多いですね」などと簡単に総括するといいでしょう。