わが国の各府省や地方公共団体、独立行政法人等が行う統計はそれぞれが好き勝手に作成しているわけではなく、統計法に基づいて統計調査が行われ、統計が作成されている。

 統計法は総務省が所管し、制度担当部局として統計基準担当政策統括官が設けられている(平成17年に統計局にあった統計基準部が廃止され、局長級の政策統括官の所掌事務を変更。筆者が在籍していたのは統計基準部時代)。

 ちなみに現在の統計制度の基礎が作られたのは戦後の占領下でGHQの指令を受けてのこと(統計法の改正や中央省庁等改革に際して、その当時の文書までさかのぼって調べたのを覚えている)。

 こうした統計のうち、特に重要なものとして総務大臣が指定するものは「基幹統計」とされている。

 この「基幹統計」としては、国勢調査や国民経済計算、労働力統計、家計統計、法人企業統計、民間給与実態統計、毎月勤労統計、国民生活基礎統計、工業統計等、56の統計が指定されている。

 なお、統計法は平成21年に大幅に改正(手続的には全部改正)され、それまで重要な統計として指定(旧統計法においては指定統計)されていなかった統計で、新たに指定されたものもある。例えば安倍政権がアベノミクスの成果を喧伝する際によく活用するのみならず、消費税増税議論等、さまざまな重要な経済財政政策を議論する際に持ち出される国民経済計算はその一つであり、国勢調査と並んで統計法に個別の規定が設けられている。

「基幹統計」を作成するための調査は「基幹統計調査」とされ、加工統計である場合を除き、その調査の実施、調査事項等は府省令である調査規則において定められており(国勢調査のみ政令)、調査の実施(詳細な調査事項や調査票の設計の変更する場合等を含む)に当たっては、総務省に設置された統計委員会への諮問・答申と総務大臣の承認を受けなければならいとされている。

 要するに、政府の重要な統計とされるものについては、政府の統計としての信頼性が担保されるようなしっかりとした制度的枠組みが設けられているのである。

基幹統計調査以外でも
総務大臣の承認や届け出が必要

「基幹統計」を作成する目的以外の目的で行われる統計調査は一般統計調査とされ、こちらについても調査の実施に当たっては総務大臣の承認が必要とされている。