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2019年の仮想通貨で注目すべき動きは何か
――「イーサリアム」共同開発者のチャールズ・ホスキンソン氏に聞く

末岡洋子
2019年1月11日
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ブロックチェーンで
サプライチェーンを管理する

――日本の企業や銀行はどのようにブロックチェーンや仮想通貨を活用できますか?

 日本が強い製造業を見ると、企業は実にたくさんの国とやりとりしている。輸出経済では、多様な国の人や企業と安全にコマースする必要があり、ここで仮想通貨はちゃんと時間通りに支払いがあったことを確実にできる。つまり、取引の条件が守られているかを確実にするツールとして利用できる。

 消費者は持続性(サスティナビリティ)、フェアトレード(公正な取引)、エコロジカルな消費などへの関心を高めている。商品を購入する際に、どこでどのように作られたのか、ちゃんと賃金が支払われているのかなどを機にする消費者は今後増えるだろう。ブロックチェーンを利用すれば、持続性のある方法で作られたのかをなどのトレーサビリティは簡単に実現できる。

 日本には自動車会社など大手のメーカーが多数あり、巨額を投じてサプライチェーンを構築している。しかし、部品の不具合によるリコールは後を絶たない。Boeingもバッテリー問題があったが、このバッテリーはBoeingが製造したのではなく、外部の取引先のものだ。Samsungの「Galaxy Note 7」の発火問題もしかり。このように、現在の製造経済では輸出入により様々な部品を調達して製品を完成させるが、ここでサプライチェーンのトレーサビリティは重要になる。

 銀行なら、顧客管理に役立てられる。顧客を適切に扱っているか、適切なサービスを提供しているか、取引リスクの査定もできる。農業離れは米国でも問題だが、ブロックチェーンと農業テックを活用できる。我々はエチオピアのコーヒー園で品質の保証に役立てるプロジェクトを進めているし、牛肉のサプライチェーン管理への応用は世界銀行も支援している。

 公共機関なら、自動車の動きを追跡し、運転しない行為に対してカーボンクレジットを発行し、それをコインとしてトークン化するなどのことが考えられる。渋滞緩和のために公共機関を使ってもらう奨励策になりうる。

 このように、あらゆる産業が活用できる。キーワードはモノ、人、価値の移動があり、信頼できるタイムスタンプがついたデータが必要であれば、ブロックチェーンの出番だ。

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末岡洋子

すえおか・ようこ/フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。

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