自分の好きなメーカーがわからない
気づいた「家具リテラシー」の低さ

Photo by K.S.
――久保さんご自身でも、家具について考えるきっかけがあったんでしょうか。
まさにありました。私、いま賃貸マンションに住んでいるんですが、賃貸契約の更新料はおかしいと思っています。長く住もうと思って引っ越すつもりがないのに、更新料を払わないといけない。不動産会社からしたら、LTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)が長い顧客に対して、わざわざチャーンレート(解約率)を上げる施策をしているわけです。全くユーザー目線じゃない。
そういう思いもあって更新料は払いたくないので、私は2年間経たずに引っ越すんです。だいたい1年半くらい住んだら次の家を探し始めます。引越し先は間取りも変わりますから、それまで使っていた家具は合わなくなってしまいます。だから、その度に全部家具を買い換えていたんです。
もちろんまだ使える家具です。だから、だいたいは便利屋さんに来てもらって、トラックで全部持っていってもらいます。でも、使える家具がゴミとして持って行かれるのを目の当たりにして、これでいいのか、何かおかしいなと。
そこで、家を当たり前のように借りているのに、家具を買っているからこうなるんだと思いました。家を借りてしばらく住むつもりなら、家具は買わないでレンタルやサブスクリプションでいいのではないかと、シンプルに考えたわけです。
それでアンケートをして家具のレンタルやサブスクリプションについて調査をしてみました。そうしたら、多くの人は家具についてのリテラシーがものすごく低かったんです。