日本で走る外車と言えば欧州車が多いので、「外車=ニューメリックネーム」というイメージが強いかもしれないが、もう1つの自動車大国であるアメリカでは、伝統的に日本同様のサブブランドを持つ自動車メーカーが多い(むしろ日本がアメリカの影響を受けたのであろう)。

 マツダがニューメリックネームを採用することには、異論を持つ自動車ファンも多いようだ。「日本市場を軽視している」という主張も見られる。しかし、経営戦略の視点からはマツダがニューメリックネームに統一することは決して悪いことではないと言える。

あえてブランド名を変えるのは
違う製品コンセプトを打ち出すとき

 そもそもブランドとは何なのか、ということにもつながるが、あえてブランド名を商品ごとに異なるものにするのは、それらが全く異なるコンセプトでつくられているときである。大きな話で言えば、「レクサス」と「トヨタ」の売り分けである。トヨタブランド、特に海外のトヨタブランドのイメージは、コンパクトで値ごろ感があって品質のいい車である。このコンセプトは、レクサスの持つ高級、大型、ラグジュアリーとは異なるから、あえて異なるブランドにするのはよくわかる。

 車種ごとの名前にしても、ラグジュアリーセダンとスポーツコンパクトで同じブランドにすれば、一方からは「おやじ臭い」と思われ、一方からは「安っぽい」と見られるだろう。こうした場合にブランド名を分ける理由は、大いにある。

 しかし、マツダの現在のラインアップを考えると、全車種を通じて魂動デザインという共通のデザインコンセプトを持っており、たとえばアテンザセダンとアクセラセダンでは、同じ方向性のセダンの中で大きなセダンか小さなセダンかという違いでしかない。こうしたときに、アテンザ、アクセラというブランドの棲み分けが重要かと言えば、むしろ上位ブランドの「マツダ」でくくる方がわかりやすいのではないか。