証人尋問では、府警交通捜査課の捜査員が出廷。捜査員は「(事故を避けようとしたとするならば)追突前のブレーキは(あまりに)弱い」と証言。検察側にどの程度の急ブレーキだったかを問われると、ドラレコの記録からも「速度はほとんど落ちていない」と説明した。

 また、検察側は捜査段階での調書で、被告がドラレコを「調子が悪く見られない」としていたが、その後、ズボンから映像データが入ったマイクロSDカードが見つかったことを明らかにした。見られては困るという認識があり、隠したとみられる。

 閉廷後、被害者参加制度で出廷した母親(45)は「被告は表情と態度から反省しているとは思えません。映像には最愛の息子が殺される場面が映っているので見ることができませんでした。到底許すことができません」とのコメントを出した。

無理筋の作り話

 16日の第2回公判では被告人質問で、運転直前に立ち飲み屋で生ビールを2杯飲んだと証言。また、パッシングを繰り返したのは「バイクが突然前方に現れたので危険を感じ、自分の存在を知らせるためだった」と主張した。

 高田さんが車線変更しても加速して追跡したとする検察側主張には「妻を迎えに行くため(妻の勤め先の方向に)変更した。バイクには気付かなかった」と反論。またバイクに追突するまで時間があったのに軽くしかブレーキを踏んでいない点には「腕時計を見たり、考え事をしていた」と釈明した。

「はい、終わりー」との音声については、「今後、仕事ができなくなるという落胆だった。自分の生活が終わったという意味だった」と述べた。

 一通りの証拠調べが終わった後、筆者の後輩にあたる全国紙の社会部デスクに話を聞いたが、弁護側は被告人質問を予想し、周到に想定問答を練ってきたと感じたという。

 質問に対して考えるそぶりもなく、答えがスラスラとよどみなく出てくる。ドラレコの映像がなければ、そのまま通ってしまったかもしれない、というのだ。