相手にナメられずに
信頼を得る伝え方とは

だからと言って新人に迎合しているだけではナメられますし、新人の基準も低くなります。
その時に役立つのが、本書でも述べている「相手のキャラに合わせたコミュニケーション」です。

このコミュニケーションを取ることで、「上司は自分のことをちゃんと理解してくれている!」と思ってもらい信頼を得ることができるのです。

以前、私がサポートに入った会社の新人A君が「皆の為にサポートしていると、お前は意志がない!って上司が怒るんです…。良いことをしているつもりなのに…」と落ち込んでいました。

A君は、貢献欲求が強く受容力が高い「やわらかタイプ」です。こういったキャラに、自分からガツガツ仕切るようなリーダータイプの指示は合いません。

そこで、A君の上司にレクチャーし、やわらかタイプに合うように、A君の貢献を褒めつつ、さらなる貢献の為にもっと期待していることを伝えてもらうことにしました。

「A君が皆のために一所懸命やってくれているのは本当に助かっているよ、ありがとう。でも、もっとチームに貢献するには言われたことだけでなく、チームの為に何ができるか考えて動けるようになると、皆が助かると思うよ」

するとA君は
「はい!しっかり考えて行動します!」と自ら動くようになったのです。

言われたことをサポートしているだけではダメ、と伝えるのではなく、「さらにチームのために」何ができるかを考えてみよう、と促すだけで、やわらかタイプは自分から動くようになります。

実際には、同じことを言っているのですが、相手のキャラを認めつつ、キャラに合わせた言い方をするだけで、相手の受け止め方は全く変わります。
これなら上司の指摘も素直に受け入れるでしょう。

「今どきの若いもんは!」と言って時代遅れになる前に、相手を理解し、相手に受け入れられる状態を作って、信頼される上司になりましょう!

今どきの新人はわからない…と<br />ため息をつく前に知っておくべきこと羽田 徹(はだ とおる)
話し方コンサルタント・トップ講師プロデューサー・株式会社web-school.tv代表取締役
大学生の頃よりラジオDJを始め、1998年に大阪人気No.1のFM802主催の新人DJオーディションに合格。その後FM愛知や文化放送でラジオオDJとして10年間活動。番組降板により挫折し不動産投資会社の営業に転職。話し方を武器にさらに営業力を磨き、2年目にトップ営業になる。2008年にはその営業力が認められ倒産寸前だったロープライス眼鏡会社の取締役営業本部長に就任し、当時64店舗から110店舗への躍進を支える。またインターネットカフェ最大手にて社外取締役を歴任。2012年、ラジオDJとしての話し方の技術、営業力、組織マネジメント力、経営経験などを生かし、組織人事コンサルタント会社のリンクアンドモチベーションにてナビゲーター(研修講師)、ファシリテーターとして活動。大手企業からベンチャーまで年間100件以上登壇、延べ2万人以上の人たちと接する。研修講師の採用や育成の責任者も兼任。新人やマネジメント研修、エグゼクティブへのスピーチ・プレゼン指導、組織活性ワークショップ、働き方改革の為のロジカルシンキング講座などを得意とする。自身の経験から「学びでこの世界を豊かにする」を理念として活動中。著書に『ビジネスマンのためのスピーチ上手になれる本』(同文舘出版)がある。社会人のための「話し方動画教室オンライン」運営。