政令市が、最適規模より肥大化して、うまく運営されていないのは児童相談所だけでなく、橋下氏の言うような教育委員会などもある。大阪都構想は、それらを一気に解決に導く手段でもある。

 橋下氏がツイートしたのは当然の反応である。

 2018年6月、大阪都構想にすれば、行政の効率化などで、0.5~1.1兆円の経済効果があるとの試算が出された(http://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/cmsfiles/contents/0000441/441469/houkokusyo.pdf)。

 その後、8月から9月にかけて、大阪市議会では、大阪都構想推進派と反対派の議論が続いた。しかし、11月に副首都推進本部会議で、この試算が議論されたとき、反対派は欠席してしまった。

 これは、反対派の「不戦敗」であり、もはや大阪都構想は選挙などで政治的な決着の時期にきていると、筆者は思っている。

 近々、その時期になろうとしているが、その際、児童相談所の設置問題は住民生活に重要なので争点としてもらいたいものだ。

 いずれにしても、今回の事件の教訓として、行政は何らかの対応が必要だろう。

(1)DVと児童虐待の認識の違いや縦割りを改めることや、(2)児童相談所の専門職員の増員、(3)児童相談所の増設は避けられない。

 それを実現するやり方として、大阪のような対応もあり得るし、国と地方自治体の両方ともにできることはやらなければいけない。

 筆者は米国に滞在した経験があるが、米国では州法によって子どもを1人にしてはいけないと言われたものだ。

 実際に条文に当たったわけではないが、筆者のホストファミリーは教養のある人で、子どもを1人にすることは児童虐待にあたると聞かされた。

 日本は、そこまで厳しくないにしても、児童虐待の防止等に関する法律はある。

 今回の事件は、まさにこの法律に抵触することだが、社会全体が、これまで「しつけ」といいながら虐待を容認してきたことはなかったのかどうか。

 1人ひとりが改めて考え、そうしたなかで行政ができること、やるべきことの合意も生まれてくる。

(嘉悦大学教授 高橋洋一)