「B社が最も自分の家を高く評価してくれた。うれしい! B社に任せよう」と思ってしまいませんでしたか。

「もしかしたら5000万円で決まるかも」と任せてしまう可能性が高くないでしょうか。ここがポイントです。

 先ほどの4400万円、5000万円、4000万円という価格は、その会社が自らその金額で買うと言っているわけではありません。「これからその金額で買主を探します」と言っているにすぎません。

 その価格で買主が見つかるという保証はどこにもありません。

 結局、一番高く出してくれたB社に任せたとします。3社の競合に勝利し、専属専任媒介契約を見事獲得できたB社の担当者は目的を達成しました。しかし担当者本人は、もちろん5000万円では到底売れないことを知っています。「この金額で買ってくれる買主が現れればラッキー」くらいに思っているでしょう。

 キチンと広告は掲載していますが、案の定、お客様からの問い合わせはなく、内見予約も実際の内見もない日々が続きます。

 レインズには掲載しているので、同業他社からは「物件はまだ販売中ですか? うちのホームページに情報を載せたいのですが」という電話がよくかかってきます。しかし、B社のような業者は自ら専任媒介で預かった物件を他社のホームページに掲載することは許可しないことが多いです。

 業者によっては、本当はまだ購入申込など入ってはいないのに「現在申込が入っています」などと嘘の返答をしたり、大胆にもはっきりと「しばらくは他社さんでのご紹介はできません」と言ったりします。