Q4:副業していますが、申告すると会社にバレますか?

 心配無用です。申告書の第二表の「住民税に関する事項」に「住民税の徴収方法の選択」という欄がありますが、ここの支払方法を「自分で納付」にチェックしておけば、副業が会社にバレることは原則的にありません。

 メインの会社が住民税を特別徴収(=給料から天引き)している場合、このチェックを「給与から差引き」にしていると、バレる可能性が出てきます。役所からメインの会社へは、副業分に相当する住民税も合算して通知されます。そのため、経理が金額の多さに気がつくと、副業を疑われます。

 もしメインの会社が普通徴収(給料から天引きせず、住民税は社員が各自で納税)であれば、前記のどちらにチェックを入れても、副業が発覚することは原則的にありません。住民税の通知が個人宛に送られてくるからです。

Q5:昨年、会社を退職しました。申告は必要ですか?

 退職前に勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人は、原則、退職金(退職所得)の申告は不要です。ただし、提出していても、退職した年の収入が少ない場合は、扶養控除や配偶者控除、生命保険料控除、基礎控除などの各種所得控除が控除しきれていないことがあります。また、退職後に自分で支払った社会保険料は控除されていません。申告によって税金の還付を受けられる可能性があります。

 「退職所得の受給に関する申告書」を提出せずに再就職した人は、給与所得については再就職先に前職の給与所得の源泉徴収票を提出して、年末調整を行ってもらった場合でも、退職所得については自分で確定申告を行わなければなりません。

 また、「退職所得の受給に関する申告書」を提出せずに再就職していない人は、年末調整を受けていないため、確定申告をする必要があります。退職後、臨時のアルバイトやパートなどで働いた場合も、その支払先で年末調整を受けていなければ、その分の収入をプラスして申告します。申告しないと翌年の住民税額を高く計算されてしまう可能性があるので、必ず申告しましょう。

Q6:保険金を受け取りました。申告しないとマズいですか?

 生命保険の満期保険金や解約返戻金を受け取った人の申告の義務についてはケース・バイ・ケースです。

 会社員など年末調整を受けた人が「保険の契約者=受取人」で、かつ保険金を一括で受け取っている場合は「一時所得」扱いとなり、「(保険金-払込保険料-50万円の特別控除)÷2」が20万円以下で他に所得がなければ申告不要、20万円超であれば申告が必要です。

 前記の条件のうち、「一括」ではなく「年金型」で受け取った場合は「雑所得」の扱いとなり、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円以下であれば申告不要、20万円超であれば申告が必要です。

 また、「保険の契約者≠受取人」の場合、たとえば夫が保険料を支払っていて、妻が満期保険金や死亡保険金を受け取ったようなケースでは、満期保険金は「贈与税」、死亡保険金は「相続税」となるため、「所得税」を扱う確定申告とは別の扱いになります。

Q7:子どもの代わりに国民年金を支払っています。控除を受けられますか?

 生計を一にする親族であれば、控除できます。生計を一にするとは、同居かどうかは関係なく、生活費等を一部でも負担しているかどうかで決まります。たとえば、子どもが離れて暮らしていても、仕送り等を行っていて、かつ子どもに代わって国民年金保険料を支払っていれば、「社会保険料控除」として親の所得から控除できます。その際、子どもの年齢や年収に制限はありません。

 ただし、給与所得者で年末調整の際に処理してもらった人(会社から記入を求められる「給与所得者の保険料控除申告書」の「社会保険料控除」の項目に記載し、子ども本人の国民年金保険料控除証明書を添付した人)はすでに控除済みのため、申告しても控除されません。