担保や個人保証が当たり前だったのは、銀行が強かった時代の話です。しかし今や、銀行を取り巻く環境は変わっています。
融資先がなく、預金は銀行にだぶついています。そこへ、さらに日銀が各銀行の国債を買い上げて、銀行に現金を押し込んでいるのです。銀行は、借りてほしくて仕方がありません。
借りるほうが強い時代なのです。
とくに、個人保証については、金融庁から各銀行に「経営者保証に関するガイドライン」(平成26年)を運用するよう言い渡されています。
「個人保証を取るな」
「経営者個人に多額の負債を負わせるな」
「経営者の家族を路頭に迷わせるな」
「個人保証に依存せず、事業性を評価せよ」
金融庁は、このように指導しています。つまり、個人保証を取ってはならないというガイドラインを示し、担保に頼る融資をするな、となっているのです。
新たな借入だけでなく、過去に契約した借入金も、個人保証を外す対象になっています。
政府系金融機関が公表している個人保証を外せないケースは、次の2つの場合です。
(1)債務超過である。
(2)2年連続、減価償却前の経常利益が赤字である。
民間銀行は公表していませんが、政府系に準じます。この2つの条件に該当することは、あまりないはずです。
こちらから依頼しないと、
銀行は動かない
ということは、個人保証は外せるのです。
ただし、銀行も素直には外してくれません。「検討します」と言って、そのままになっていることが多いでしょう。