明徳義塾同様、モンゴルからの留学生を受け入れて大相撲に送り出しているのが鳥取城北高。現在は3月場所で14勝1敗の好成績を残し来場所は関脇昇進が確実な逸ノ城と石浦の2人の幕内力士がいる。大関になったもののヒザの故障や腎臓結石などの病に襲われ、現在は序二段まで番付を下げた照ノ富士、暴行問題で引退した貴ノ岩も同校OB。強豪校であることは確かだ。

 金沢学院高(石川)も幕内に2人のOBがいる。遠藤と豊山だ。

 埼玉栄高、明徳義塾、鳥取城北高、金沢学院の4校はいずれも相撲部の強化に熱心な私立高校。全国の大相撲力士を目指す少年たちは今、この4校のなかから指導法や環境などをチェックし進学先に選んでいるといえる。力士が歩むエリートコースになっているわけだ。

高校相撲部の
価値が高まっている

 しかし最近では公立でも相撲部が強くなり、大相撲力士を輩出している高校がある。ひとつは千葉県立流山南高。スピードある突き押しで実力も人気も上昇中の阿炎、モンゴル人だが小学校時代から千葉で育った大翔鵬の2人の幕内力士がいる。神奈川県立向の岡工業も最近ではインターハイで上位に入る強豪校になり、幕内力士の友風を輩出している。公立高校で相撲部員が地元の少年だけでも、指導法次第では強くなり、大相撲で活躍する力士が育つ例も出てきているのだ。

 ひと昔前は中卒で大相撲入りすることが珍しくなかった。今もそうした例はあるが、多くは強豪校に入って鍛えられ、卒業時の実力次第で大相撲へ行くか、大学の相撲部に行くかを判断する、という流れになっている。高校相撲部の価値が高まっているのだ。

 ただ、これまでの実績から見れば高校時代は埼玉栄高で稽古を積むのが最も成功確率が高いことになる。今後も埼玉栄高相撲部とそのOBたちの快進撃は続きそうだ。

(スポーツライター 相沢光一)