「2日目から最終日までは毎日早朝ランニング15キロ、それから腕立て伏せと腹筋を各100回、午後からは唱和訓練。残りの時間で座学とロープレか…」

 C部長は昨年、この内容を見て「これでは皆が倒れてしまう」と反対したが、A課長は意に介さない。「事故がないように万全を期しますから」という彼の言葉を信頼し、C部長は許可を出した。

 いざ始まると全員が無事に研修を済ませ、C部長の心配は杞憂に終わった。しかも困難な事柄にみんなが一丸となったことで連帯感を高め、たくましくなった彼らは、その後各店舗で販売員として活躍、上位の営業成績を残す者も多数現れた。この結果に大満足したC部長は、A課長の肩を叩きながら「今年も頼んだぞ!」と言った。

 研修当日の朝、会社に集合した新人、A課長、サポート役の社員5名は、貸切りバスで片道2時間の会場に向かった。到着して昼食後、講師となったA課長は会社の歴史や事業展開等について語り、1日目は問題なく終えた。

研修2日目、
ランニングで脱落者が…

 2日目。朝5時に起床すると、早速ランニングを始める。ジャージ姿の新人たちは、先頭を走るA課長の掛け声に合わせ、大声を張り上げながらグラウンドを15キロ走った。

 女性や運動経験のない男性は歩いたりした者もいたが、それでもゴールまで辿り着いた。ところがBだけは、500m程走ったところで動けなくなり、その場に座り込んでしまった。A課長が様子を見に行くと、Bは息を切らし、弱音を吐いた。

「課長、もうこれ以上動けません…」

 A課長は活を入れた。

「コラッ、B!体を鍛えないと売り場の仕事は務まらないぞ!」

 課長の厳しい声に圧倒され、弱虫のBは泣きだしてしまった。

 A課長は、仕方なく、「トレーニング中は部屋で休憩していろ」とBに言った。

 B以外の新人たちは、ランニング後、メニュー通り腕立て伏せと腹筋を100回ずつ行った。A課長はハッパをかけた。

「最後までやり遂げることが大切だ。両方とも100回までやろう!」

 そして、Bを除く参加者全員がクリアした。トレーニング後に朝食を済ませると、午前中の残りは業務に関する座学に時間を割いた。トレーニングで疲れ果てた新人の中には居眠りする者がいたため叩き起こし、なんとか終了した。