事故物件を見分ける方法
1.価格が安すぎる場合は疑う
駅近、築年数、間取りなどの条件が良いにもかかわらず、価格が相場よりも明らかに安い場合は、心理的瑕疵物件の可能性があります。2割以上、なかには半額程度の物件もあります。ちなみに、UR都市機構の賃貸募集では、心理的瑕疵物件を特別募集住宅として1年程度、通常賃料の半額で入居者募集がされています。
2.不動産会社の担当者に確認する
心理的瑕疵物件は、不動産会社に告知義務があり、告知しない場合は「重要事項説明義務違反」として罰せられます。まずは不動産会社の担当者に告知事項ありの有無にかかわらず、「この部屋やマンション全体で過去に事件や事故、火災などはありませんでしたか?」と必ず確認しましょう。
3.物件や周辺で聞き込みをする
マンションの受付にいる管理員や住民(売主含む)、その周辺の人々に聞き込みをしてみましょう。その際、マンション敷地内は私有地だということは、くれぐれも忘れずに。時間はかかりますが、周辺環境も把握できるのでおすすめです。
4.専門サイトや専門会社で調べる
なかには心理的瑕疵物件であることを伝えるサイトや、心理的瑕疵物件を専門に扱う不動産会社もありますが、全体からみればまだ少数派です。
おすすめは、株式会社大島てるが運営する「事故物件公示サイト」です。
サイトの日本地図上の任意地域をクリックすると、自殺や殺人、火事、孤独死などの心理的瑕疵物件の情報を見ることができます。
マンション名や部屋番号まで明確なものもあります(「事故物件公示サイト」http://www.oshimaland.co.jp/)。
また、競売物件は手続きが簡素化し、個人でも格安で住宅が購入できるため人気がありますが、なかには訳ありなどの物件もあるので、くれぐれも慎重にしてください(「不動産競売物件情報サイト」http://bit.sikkou.jp/app/top/pt001/h01/)。
日下部 理絵(くさかべ・りえ)
マンショントレンド評論家・マンション管理士
大学在学中の2001年に実施された第1回マンション管理士・管理業務主任者試験に合格。マンション管理会社勤務を経て、マンションの総合コンサルタント事務所「オフィス・日下部」を設立。女性ならではの視点で、マンション管理組合の相談や顧問業務にあたる。また、数多くの調査を通じて、中古マンションの実態に精通する。テレビ・ラジオなどのメディアや、講演会・セミナーでも活躍中。
主な著書等に、『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)、『負動産マンションを富動産に変えるプロ技』(小学館)、『マンション管理と修繕 最強ガイド2019』(東洋経済新報社)などがある。