ところが、参加者(現場)の視点を踏まえず、研修を実施すること自体が目的化して、長年見直しもせずに「前年踏襲」で継続している研修や、企画担当者が「気に入っている」という理由だけで実施されている研修も多いように思います。

企画面とデリバリー面
参加者に寄り添う2つのアプローチ

 では、参加者の期待・ニーズに沿った状態で研修を実施するには、どうしたらよいのでしょうか。考えられる対策は2つあります。

【対策(1)】対象者分析、現場ニーズの把握をする(企画面のアプローチ)

【対策(2)】目の前の参加者のニーズを拾い上げる(デリバリー面のアプローチ)

 1つ目の対策である「対象者分析(および現場ニーズの把握)をする」アプローチから見ていきましょう。

 マルコム・ノールズの成人教育論では、「P-MARGE」と称して、大人の学習について次のように論じています。

・Learners are Practical. (大人の学習者は実利的である)
・Learners needs Motivation. (大人の学習者は動機を必要とする)
・Learners are Autonomous. (大人の学習者は自律的である)
・Learners needs Relevancy. (大人の学習者は関連性を必要とする)
・Learners are Goal-oriented. (大人の学習者は目的志向性が高い)
・Learners has life Experience. (大人の学習者は豊富な人生経験がある)

「勉強そのもの」が目的となる子どもと違って、「仕事で成果を出す」ことが求められる大人(ビジネスパーソン)は、自分にとってのメリットや仕事の関連性を必要とします。そのためには、事前に相手(参加者)のことをよく知る必要があります。

 たとえば、友人の誕生日を食事でお祝いする際、事前に好みを聞いておいてお店を予約するのと同じように、この問題は研修が始まる前に対処すべきことであり、「研修の企画」の問題と言えます。