また、昼間はトイレを我慢する訓練も必要だ。おもらしを怖がるあまりつい、「おしっこに行きたくなる前に、トイレを済ませなさい」とせかしたくなるが、膀胱に尿をためる訓練だと思って「あと何分我慢してみようか」と声をかけ、尿意を我慢できたら褒めることをくり返す。ケースによっては飲水管理と蓄尿訓練だけで夜尿症が治ることもあるので、医師と相談しながら試してみよう。

 生活指導だけで効果が認められない場合は、次の治療に進む。

 アラーム療法はパンツに水分センサーを付け、警告音(アラーム)を発する本体をパジャマの襟元や枕元に置く方法で、眠っている間に尿が漏れるとセンサーが感知し、本体が光や音、バイブレーションなどで本人に知らせる仕組み。アラームで目を覚ましてトイレに行くか、我慢することで夜尿をしないように訓練する治療法だ。

アラーム療法の効果と短所
同室で寝ている家族の協力も必要

 アラーム療法に積極的に取り組んだ場合、およそ7割の患者で効果が認められている。特に良い適応は、膀胱の容量が小さく週に3回以上夜尿がある、尿意は感じているものの覚醒できないタイプの患者で、夜尿の回数が減るほか、次第に膀胱の蓄尿量が増えていく効果も認められる。

 初めはアラームに気づかないので親が代わりに起こす必要はあるが、次第に覚醒できるようになり、アラームが鳴る時間帯も起床時間に近づいていく。最低14日間連続で夜尿が起きないことを目標にスタートし、3ヵ月を超えても症状が改善しない場合は、薬物治療が考慮される。

 同療法の短所は、保険診療で認められていない点と家族の負担があることだ。

 実際の臨床ではアラーム装置を1万~数万円で自費購入する必要があり、センサーが反応する度に同室の兄弟姉妹が一緒に起こされてしまうなどの問題が出やすい。本人のやる気もそうだが、家族の理解と協力が得られない場合は難しいかもしれない。こうした場合は、最初から薬を飲むという選択肢を考えていいだろう。