問題は「排出国以外も被害を受ける」こと

 琵琶湖を漂うプラスチックに関しては、日本だけの問題であるから、国内の加害者(プラごみをポイ捨てしている人など)を日本政府が規制して国内の被害者を救済すればいいだけである。何も国際会議を開く必要はない。

 しかし、海洋プラスチックごみ問題は、加害者と被害者が同じ国にいるとは限らない。というよりも、世界中が被害者であるから、加害者を規制する必要がある。問題は、加害者のいる国にとっては、自国の加害者を規制するインセンティブが必ずしも大きくないことである。

 これは、地球温暖化対策の二酸化炭素抑制策と似たところがある。国単位での経済活動を考えれば、「公害を出している企業自身は公害を止めるインセンティブを持ちにくい」のと同様の「外部不経済」の問題なのである。

 各国の本音をいえば、「我が国は排出を減らすためにコストを負担するのは嫌だ。しかし、他国には排出を減らしてほしい」ということであろう。それならば「皆で一斉に排出を減らそう」となりそうだが、話は簡単ではない。

「自分は嫌だが、皆でやってくれ」と言いだす国があると、強制できないからだ。国内であれば政府が強制的に公害企業を取り締まれるが、国際的な問題は事情が異なる。

排出量は圧倒的に途上国が多い

 海洋プラごみの問題に関しては、これまで主にG7など先進国間で議論され、先進国が中心となって取り組んできた。

 しかし、プラスチックごみの海洋への流出量が特に多いのは、中国とインドネシアだといわれている(※)。したがって、問題の真の解決のためには、その2ヵ国に排出量の削減に取り組んでもらうことが重要である。

 そのために、両国を含む多数の国が一堂に会して多くの問題について語り合うG20の場に大いに期待したい。

 多くの国が積極的な取り組み姿勢を示す中で自国だけが消極的な姿勢を示すのは、2国間の交渉における場合よりも困難であろうし、「プラごみ問題でかたくなな態度を示すと、G20で議論される他の多くの議題において自国の主張が通りにくくなる」といった思惑も働くことが期待されるからである。

(※)Jambeckら : Plastic waste inputs from land into the ocean, Science (2015) を基に記載