会社の内と外を分析し、戦略につなげようというのが「SWOT分析」だ。内部要因と外部要因の両方をカバーする使い勝手の良さを武器にして、定番フレームワークの座を得ている。
内部については自社の「強み(Strengths)」と「弱み(Weaknesses)」、外部環境については「機会(Opportunities)」と「脅威(Threats)」の4項目で分析するもので、その頭文字を取ってSWOTと呼ぶ。
内部要因と外部要因を「プラス/ポジティブ」か「マイナス/ネガティブ」のいずれかに分類するため、MECE(「【1 MECE】 モレなくダブりなく 論理的思考の基本のキ」参照)のように漏れを避けることができる。
評価の対象となる内部要因には、ヒト・モノ・カネ、顧客基盤といった経営資源や機能などを置き、外部要因はマクロ環境、市場・顧客、競合の動きなどとする。
こうした明快さが、かつて花形フレームワークとして注目され、一世を風靡したゆえんだろう。
ただし、クリアなロジックの礎となっているプラスかマイナスかの二項分類はその後、評価をぐらつかせることとなった。
例えば、外部要因の「高齢化」は、狙う市場や見方によって脅威にもチャンスにもなり得る。内部要因の「若い組織」「小さな会社」「トップダウン経営」といった要素もまた、強みにも弱みにもなる。肝心の区分のところでかなり主観が入り込んでいるわけだ。
「現状の整理をしているだけにすぎないのではないか」という批判もしばしばなされる。
こうした指摘を受けて、SWOTの現状分析を出発点とした、応用バージョンのフレームワークが新たに登場する。