フレームワーク30 DAY8 PPM分析

 ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が生んだ有名なフレームワークの一つが「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)分析」だ。見た目にもキャッチーで分かりやすく、事業の位置付けを分析できることから、誕生後は多数の事業をどう管理すればいいか迷う経営者たちにとって格好のツールに躍り出た。

 PPMでは、縦軸に市場成長率、横軸に競争上の地位を表す相対的な市場シェアを取った2×2のマトリクスで、各事業を四つのカテゴリーに分類する(下図参照)。

 各カテゴリーにはユニークな名前が付けられ、それぞれ「花形製品」「金のなる木」「問題児」「負け犬」と呼ばれる。

 「花形製品」は高成長の分野で、相対的市場シェアも高い事業だ。ただ、現金の流入量が多い半面、成長に向けた資金需要も大きくなり、差し引くと必ずしも現金を創出するかは分からない。

 「金のなる木」とは、相対的な市場シェアが高い半面、成長率の低い事業。シェアの維持に必要な再投資分を超える多くのキャッシュを生み出し、これこそが最もうまみの大きな領域とされている。

 「負け犬」と呼ばれるのは、成長率が低く、相対的な市場シェアも低いような事業だ。現金を生む力は弱く、景気変動など外側からの要因によって利益率が大きく左右される特徴も持つ。この事業からは資金を遠ざけるべきといえる。

 最後の「問題児」はくせものだ。市場が大きく伸びている事業だが、まだ相対的な市場シェアは低い。現金流出を必要とするケースが多く、かといって投資をしなければ他企業に後れを取りかねない。市場の成長が止まれば、一気に「負け犬」に転落する恐れもある。

 PPMは企業戦略的に、多数の事業への資金配分をどうするかという課題に対処するツールという側面を持つ。その中で、理想的な資金の流れを示したのが下図だ。「金のなる木」は資金需要の大きい他の事業部門のために現金を生むといった、大きな役割を担う。ここで生まれた資金を、いかにうまく次世代の成長の種にできるかが重要になってくる。

 そのためには資金を「問題児」に投入し、成長性の高いうちに「花形製品」に育てるか、研究開発に投資して直接、花形製品を作り出すかの選択肢がある。ただ研究開発で花形製品を作り出せる業種は限られるといわれ、長い時間も要する。よって問題児をいかにうまく大化けさせられるかが企業戦略上のカギを握る。

(週刊ダイヤモンド2017年8月5号「ロジカルシンキング&問題解決法」を基に再編集)