姿勢の悪さが
骨や内臓の配列を変える

 現代の生活は、どうしても前傾姿勢になることが多くなっています。
 パソコンやスマホの操作、長時間のデスクワーク、電車や車などによる足腰を使わない移動などがその例と言えます。
 前傾姿勢が長時間続くと、骨や内臓の配列が変わっていきます。

 たとえば、背骨の配列が変わると重心線が乱れ、首で重たい頭を支えるために、頭が背骨よりも前に出てしまいます。頭を支えるために首、肩に多くの負荷がかかることが肩こりの原因になります。
 それだけではありません。
 背骨本来のS字カーブが乱れることによって、体幹筋力のアンバランスが起こり、腰痛の原因になったりします。

 S字カーブの乱れは骨盤にも影響していきます。
 骨盤のポジションが乱れ、そこから足の股関節の動きが不良になり、歩行困難の原因にもなりえるのです。
 また、背骨は自律神経の通り道なので、背骨の配列が乱れることで自律神経の働きが悪くなり、不眠の原因にもなります。
 姿勢の乱れによる不要な筋肉のアンバランスや緊張によって筋肉の血液循環が悪くなると、冷えも引き起こされます。
 また、呼吸にも影響を与えます。

 若い人には馴染みがないかもしれませんが、肺炎につながる誤嚥も、姿勢の悪さが影響すると考えられています。
 猫背になり、頭が前方に出ることによって起こる頭と首の配置の乱れが、食べ物を飲み込む際に使う筋肉の活動に影響を与えるからだと言われています。
 このように、体に起こる多くの不調は、実は姿勢の悪さから来ています。
 ということは、姿勢をよくすることで、その不調を改善することができるはずです。

うつぶせで姿勢がよくなり、
呼吸が深くなる

 背骨はもともと、構造的に曲がりやすく、伸びにくいという特徴があります。
 人間の活動は、前向きで体を曲げる動作が多いため、必然的に背骨は前に曲がってしまいがちです。