「全米トップスクール37校の教科書」はダイレクト時代のバイブル
特に先進国、あるいは成熟した社会、つまり、もうこれ以上消費したいものがないという状況でこの傾向が顕著に表れます。
当然、人々の購買行動が変化してきたからには、マーケティング手法も従来どおりではまったく通用しないということになります。
広告を使ってマスマーケティングを行った場合、7回以上、その商品・サービス名が刷り込まれない限り、なかなか認知度が上がりません。
ですから広告代理店は、「できるだけ何度も繰り返し、広告をうってください」などと言うわけです。
でも、消費者が自分にとって居心地のいい空間で、そこに集まった仲間のうち2~3人から、「この商品はお勧めだよ」と紹介されたら、あっというまに、その人の印象に残ります。
高い広告料金をかけて、7回も広告をうたなければ上がらなかった認知度が、コミュニティ内の紹介や噂なら、1~2回、マックス3回で、広告をうつのと同等以上の効果につなげることができます。
コミュニティ時代を迎えるにあたって、ダイレクトマーケティングはまさに必需と言っても過言ではないのです。
さて、3回にわたっていろいろと述べてきましたが、今回、私が監訳した『ザ・マーケティング【基本篇】』『ザ・マーケティング【実践篇】』は、こうしたダイレクトマーケティングのバイブルともいうべき一冊です。
第1版は1975年で、これまで丁寧に改訂を繰り返し、最新第8版(ネット対応済)まできました。本書がその最新版の邦訳で、「全米トップスクール37校の教科書」にもなっています。ただ、「基本篇」「実践篇」の2分冊、合計900ページを超える大著ですから、それを目にした瞬間は、尻込みしてしまうかもしれません。
でも、これまで述べてきたように、これからの時代、ビジネスをしていくための共通言語として、ダイレクトマーケティングを理解することが、必要不可欠になります。
そこで、この本に書かれていることを理解し、自分のビジネスに役立てるための方法を2つ、お教えします。