総合病院で2000人のリハビリに関わってきた理学療法士が、ストレッチよりはるかに簡単なのに、驚くほど効果のある奇跡の「うつぶせ」療法を紹介した本『うつぶせ1分で健康になる』を刊行しました。
たった1分の「うつぶせ」を習慣にするだけで、猫背、腰痛、肩こり、首の痛み、不眠、疲労、冷えといった体の不調が改善し、高齢者には誤嚥予防にもなります。
「うつぶせになるだけで、本当にそんなに効果があるの?」
と思うでしょうが、どうしてそんなに効果があるのか、その納得の理由を『うつぶせ1分で健康になる』から、本書を監修してくれた総合内科専門医、岡田真理子医師のコメントを一部抜粋し、再構成して紹介します。

総合内科専門医の立場から考える、<br />「うつぶせはなぜ効果があるのか?」

深く、いい呼吸が自律神経を整える

 うつぶせがなぜ体にいいのかを内科医の立場から考えてみると、まず1つ目として、自律神経が整うということが言えるでしょう。
 うつぶせになると、普段は使わない肺の部分に空気が入ります。
 これにより、深く、いい呼吸になるので、リラックスした状態になるのです。

 副交感神経は体の緊張を取る神経です。
 体の緊張が取れるということは、自律神経のバランスが整うということです。
 交感神経と副交感神経はよく、車のアクセルとブレーキにたとえられます。
 そのバランスが人の体にとっては非常に重要なのですが、忙しく過ごす現代人の日常は常にアクセルをふかしっぱなしの緊張状態にあります。
 そこで、あえて意識的に副交感神経、つまり体にブレーキをかける神経を活発にする時間をつくることが大事になってくるのです。

 2つ目は呼吸です。
 病院では人工呼吸器をつけていらっしゃる患者さんに対して、治療の一貫や体のメンテナンスとして、うつぶせになる時間をつくることがあります。