さらに、日本企業における従来の「仕事のしかた」もテレワーク活用の足かせとなっている。

「欧米企業のように個人の仕事内容や範囲が明確に決まっている“ジョブ型”であれば、個人の裁量で自分の働く時間や場所を決められるテレワークをうまく活用することができます。しかし、多くの日本企業は“ジョブ型”になっていません」(八代氏)

 多くの日本企業の正社員は雇用内容を契約していない。ゆえに、何でもやらされる。つまり、仕事の「切り出し」ができないのだ。個人が遂行する業務の範囲が明確でないと、働き方を自由にコントロールすることは難しい。テレワークに限らず生産性向上の観点からも、ジョブ型への転換は急務である。

 先述の総務省の調査によれば、テレワーク未導入の企業が制度を導入しない一番の理由は、「テレワークに適した仕事がないから」だという。これも、各個人がやるべき仕事の内容や範囲が規定できれば、状況は幾分か改善されそうだ。

 企業にも働く人にも、多様なメリットがあるテレワーク。オリンピック後に定着するかどうかは、自由な働き方とは相反する現状の制度や慣習の改善度合いに左右されるだろう。

(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

※参考:平成30年通信利用動向調査