JAL VS ANA 新ハワイ対戦4

ハワイ路線を舞台にした日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)の激突を描く「JAL vs ANA 新ハワイ対戦」特集の第4回。今回は2社へのインタビューをお届けする。ANAは超大型機A380を初導入するに当たり、安全で確実な運航体制をどのように構築しているのか。オペレーション部門を統括する清水信三・ANA代表取締役専務執行役員に話を聞いた。一方、ハワイ線の歴史が長いJALは今、どんな戦略なのか。リゾッチャ時代からハワイ線に関わる国際路線統括本部長の大貫哲也・JAL常務執行役員に話を聞いた。(ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)

社長から社員まで総出で
空港とA380機内をシミュレーションした

――5月末にA380が飛び始めてから1カ月がたちました(インタビューは7月中旬に実施)。手応えは?

清水信三・ANA代表取締役専務執行役員オペレーション部門 統括、安全統括管理者
しみず・しんぞう/1957年生まれ。80年慶應義塾大学経済学部卒業後、全日本空輸入社。ANAホールディングス上席執行役員グループ経営戦略部長などを経て2017年4月ANA取締役常務、18年4月より現職。 Photo by Rika Yanagisawa

 営業成績はとても良いです。520席で95%を超える搭乗率なので、A380をハワイに導入する戦略は、社長の平子裕志もたびたび口にする「三方良し」(売り手良し、買い手良し、世間良し)で、できているのだと思います。

 これまで、お客さまから「ホノルルに行きたくても予約できない」という声が非常に多かった。マイルの特典航空券の予約分に関しても不満が多かった。ボーイング787での搭乗率が90%を超えていて、お客さまが要望される機会をご提供できていなかったのは本当に心苦しかった。その点を解消できたことが、われわれとしてはいちばんうれしいです。

――オペレーション面ではどんな準備をしてきたのですか。

 例えば出入国の手続きに関して、520人の方がスムーズに行うために、成田のイミグレーションにA380が1機到着したらどのくらいのインパクトがあるのか。チャーター便を使い、B787が2機飛んで同時刻に到着し、500人規模のお客さまが一度に手続きを行ったら、どのくらい時間がかかるか、シミュレーションしたんです。

 イミグレーションに関しては米国の当局に話をして、ハワイ州にも非常に協力していただいています。7月からはA380が2機、1時間違いで到着しますが、搭乗率95%でも大丈夫でした。

 ホノルル発でもユナイテッド航空に協力してもらってカウンターや自動チェックインを増やしていますし、ラウンジから直接、飛行機に乗ってもらう方法も混雑解消につながっています。520人乗りでもストレスなく乗っていただくことは大きなポイントですね。

 1機に520人ものお客さまが乗るので、どんなことが起きてもお客さまへの影響は最小限にとどめなくてはいけない。細かい改善点はいろいろ出てきてはいますが、今のところ順調に、きっちり手当てできています。