ハワイ路線を舞台にした日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)の激突を描く「JAL vs ANA 新ハワイ対戦」特集の第5回(最終回)。今回はハワイアン航空とデルタ航空へのインタビューをお届けする。2017年にJALとコードシェアやマイレージ提携したハワイアンは、さらに踏み込んだ「共同事業化」を目指す。一方、日本にパートナーを持たないデルタ航空は、20年の羽田空港発着枠の拡大に際して、他の米系航空会社よりも多い枠を暫定的に獲得。その中にはホノルル線もあり、日系エアラインに勝るとも劣らないサービスのレベルアップに動いている。(ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)
JALとの共同事業化で地方からもハワイへ
西日本26都市への乗り継ぎが可能になる
――ハワイ市場が変化しています。ANAのA380が飛び始めて、販売に影響は出ていますか。
特に出ていません。私どもにとって大事なのは競合が来ることを予測し、自分たちのビジネスモデルに忠実に、着実に取り組むことです。
むしろA380の登場により、ハワイが非常にフォーカスされるようになって、これは私たちにもプラスに働いています。
――日本~ハワイ線のビジネスの状況は?
日本とハワイを結び始めて9年がたちますが、順調に拡大しています。羽田~ホノルル線は週11便、羽田~コナ線は週3便、成田~ホノルル線は週7便のフライトがありますし、札幌、大阪、11月からは福岡からもホノルルへ直行便を飛ばします。おかげさまで搭乗率は常に90%を超えて(全路線平均)います。
そして来年の春には羽田~ホノルル線を増便し、週18便になる見込みです。
――好調な理由はどこにあると思いますか。
乗った瞬間からハワイを感じられるような機内デザインや、ローカルのスタッフでお迎えし、一方で日本人のお客さまが好むサービスを提供しているところです。
特に一押しは「エクストラ・コンフォート」シートで、エコノミークラスよりも足元の前後の空間が約13㎝広く、日本人のお客さまに人気のアメニティーキットも付きます。エコノミーにわずかな追加料金でお乗りいただけることもあって、エクストラ・コンフォートの販売数が対前年比で倍増しています。好評なので、以前は44席だったのを、68席に増やしたほどです。食事も毎年、より良いものに変えていっています。