これらを具体的に実施するには、不動産の専門家という伴走者が必要になる。それが不動産業者の役目になる。仲介は誰でもできる。仲介だけで差別化を持たせるのも難しい。だからこそ、仲介よりもコンサルテーションに価値があるのだ。右から左に動かすだけでは、業界が縮小しても不思議ではない。

 このために、相続税評価算出シートや事業収支シミュレーションや小規模宅地の特例を最大限に活用するためのシートなどが必要になり、理解しながら進めていく必要があるのだ。

 スマートにやるのは節税対策の投資だけではない。個人顧客のほとんどの不動産取引は自宅になる。賃貸と持ち家の比較に始まり、戸建てかマンションか、ローンの賢い借り方や税制上の優遇は何か、といった知らないと損する話は多い。知っているかいないかの問題だが、こうした一般論はすべて数字で答えが出る。

 それだけではない。私がこだわってコンサルしているのは、物件の資産性だ。どんなマンションを買うと値上がりしやすいかがわかる。自宅を投資と見立てて、家賃を払うのは無駄だから資産価値が高い自宅に住み、資産を増やすという考え方だ。

 コンサルの模様を16時間ほどの動画に撮り、「沖レク」と称して、スタイルアクトが提供する物件情報サイト「住まいサーフィン」の会員が視聴できるようにしている。ログインするたびに約10%のユーザーが視聴しており、会員のリテラシーはみるみるうちに上がった。会員の資産価値は平均2200万円増えているので、1回の動画視聴が10万円の価値を生むように設計されている。

相談する相手に対して
「信頼」を抱けるかが重要

 また私は現在、自宅購入者の希望に応じて面談をしている。その際のベースは前述の動画レクチャーである「沖レク」だ。相談される側の信用は動画ですでに確立しているし、そりが合わないなら最初から来ない。その結果、知り得る情報以上の答えを求めて面談にやって来ることになり、顧客の要求水準もかなり上がっている。

 これが双方にとって、高いレベルでの合意点が見つかる方法の1つになる。面談前にも、サービスを受けるために必要となる事前動画が20分ほどある。こうしておくと、私の面談時間は約30分で済む。