それなのに、情報が大切だろうと判断し、相手の感情を伝言しない人がいます。まじめな優等生ほど、「感情は関係ないから、情報を伝えなければいけない」と思い、大切な感情の部分をカットします。

 なぜなら、「ご立腹でした」と報告すると、上司から「おまえ、何やってるんだ」と叱られたり、自分の減点になるかもしれないと思うと、ネガティブな感情情報をカットしていくのです。しかしそれでは事後対応をしくじります。「何かありましたでしょうか?」と、ぶらっとお客様のところへ行ってしまうからです。「ご立腹でした」と事前に聞いていれば、心の準備をして行けます。感情情報がないまま行くと、お客様とのすれ違いが起こり、収拾がつかなくなってしまうこともあります。

 このように、小さな補足情報に、チャンスがあるのです。企画会議で、企画書やホワイトボードにメインに書かれていないことを発言するよりは、トイレやエレベーターでボソボソと話していることに企画のヒントがあるものです。この場合、相手側から出てくるものには企画のヒントやホンネが隠れているので、どんなに小さな情報でも大切です。大きい情報は放っておいても伝わるので、小さい情報ほど報告する必要があるのです。

 もちろん、ただ言われたことを伝言することが間違っているわけではありませんが、“求められる人”というのは、そこでさらに小さな補足情報も加えることができる人なのです。

 こういった小さな習慣の積み重ねが、蓄積となってその人の「信用」につながります。能力だけを身につけようとせず、日常から人と関わる時に、相手がどんなことを求めているのかを意識してみると、“求められる人”になれるはずです。