マスメディアからの取材が増えた

 パーソナルブランドを確立した高橋さんのもとには、新聞やテレビなどから取材の申し込みが入るようになりました。「マイベストプロ」に掲載した直後には、TBSテレビの「みのもんたの朝ズバッ!」から出演依頼が来ました。また、NHK総合テレビの「あさイチ」に出演して重曹とクエン酸を使った排水管掃除の話をした時は大変な反響で、今でもネット上でその情報を読んで、高橋さんにコンタクトしてくる人は後を絶ちません。

 なぜこれらの取材の依頼が入ったのか。それは高橋さんが自分の強みを信頼性を持って明確なメッセージとして発信したからに他なりません。メディアが専門家を呼ぶ時に企画にできるだけ適する人を求めます。たとえその幅は狭くても、企画側(メディア)の要求にしっかりと答えてくれるということを、パーソナルブランドによって印象づけたことが、その要因と言えます。

 それ以外でも、「マイベストプロ」のコラムに掲載した「ストレスゼロ!『子どもを伸ばすお片づけ』」によって、毎日小学生新聞の取材も受けました。このテーマは、あるキッズサークルの定期講座にもなっており、メインターゲットである主婦層へのアプローチに効果的な役割を果たしています。最近では、流通系の企業からバックヤードの整理収納をコンサルティングしてほしいという依頼や、社員の研修セミナーで話してほしいといった、法人からの依頼も増えているそうです。

貢献のカタチ

 貢献というと、何かボランティアのような活動を想像してしまうかもしれませんが、パーソナルブランド構築における貢献のプロセスは、営業・マーケティングにおける新しい行動です。それは顧客との関係の濃淡にかかわらず、場合によっては顧客になるかどうかまだわからない相手でも、惜しみなく情報公開をしたり、喜んでもらえるようなサポートをしたりすることです。顧客が仕事を依頼する場合の決定打となるのは信頼です。第一印象で好感を持たれること、次に貢献を積み重ねること。それによって顧客の信頼を得ることができ、永続的な受注に結実するのです。

 では高橋さんの場合における貢献について考えてみましょう。

①顧客にふさわしい接客態度

「こうしたサービスを受けていることをご近所に知られるのは嫌」というのが高橋さんの顧客に共通する希望です。そこで高橋さんはスタッフに対して、清掃業者やゴミ処理の業者とは一線を画すような丁寧な言葉づかい、迅速な対応、適切な服装と身だしなみを求めました。それによって顧客の信頼を得たのです。

②カウンセリング重視

整理収納コンサルティングでは、最初にヒアリングすることを重視しています。整理することをゴールとして、効率よくテキパキ進めようとせず、顧客の価値観に沿った片づけを提案します。

③フレキシブルな対応

家事代行では、顧客のニーズにフレキシブルな対応する。環境と人に優しいエコ洗剤を使用する点や、高価な調度品の扱いのよさが信頼されているポイントです。

④わかりやすいセミナー

顧客に対しても、資料やパワーポイントなどを活用してわかりやすく高橋さんのサービスへの理解を促します。企業向けセミナーでは、企業のコンセプトに合わせて講座内容を作成し、具体的にすぐに役立つ知識を提供します。