年金の繰り上げ受給による減額でも
70歳時点の金融資産残高は十分!

 Sさんの退職後のキャッシュフローを見ていきましょう。3年後に早期リタイアした後、Sさんは一切働かないとおっしゃっています。58歳から年金を繰り上げ受給する60歳までの2年間の収入は妻の100万円だけになります。

 一方、この2年間の支出のうち、息子さんの習い事に関する費用は先ほどの試算ですでに金融資産から差し引きましたから、年間の支出は約450万円(現在の支出550万円-100万円)になります。すると、支出450万円から収入100万円の差額である350万円が1年間に金融資産から取り崩す額となるため、2年間で700万円かかり、60歳時点の金融資産保有額は8540万円になります。

 Sさんが60歳から公的年金を繰り上げ受給した場合、65歳時点で受給できる金額の7割に減額となります。Sさんの65歳時点の支給額は約220万円、その7割ですから154万円が繰り上げ受給による受取額になります。受給額154万円では、税金はあまりかからないものの、健康保険料は世帯収入で計算されることになります。税金・健康保険料などを世帯収入(年金154万円+妻の収入100万円)の1割と考えると、60歳から70歳のSさん夫婦の年間収入は約230万円になります。

 60歳から70歳の年間収支は、収入230万円、支出は積立保険の支払いを60歳までと仮定すると60万円が減額になり390万円に。収入と支出の差額である160万円を10年間取り崩すのですから、合計で1600万円、70歳時点の金融資産額は6940万円です。

70歳時点で資産を残しつつ
毎年どれくらい遊興費に使えるか

 Sさんには、70歳時点で4000万~5000万円は保有しておきたいというご希望があります。簡単に試算を行った結果、記載されているまとまった資金やライフイベント、並びに70歳までのキャッシュフローを勘案しても、70歳時点で6940万円が残ることになります。したがって、70歳時点で4000万円を残すのであれば2940万円、5000万円残すのであれば1940万円を遊興費として使うことができる試算になります。