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 毎年、7~8月の2カ月間は、清涼飲料の売上げが伸びる。危険な脱水を防ぐためにも水分補給は必要だが、できる限り「無糖」飲料を選びたい。

 パリ第13大学の研究者らは、フランス在住の登録集団(平均年齢42.2歳、女性が78.7%)、10万1257人のデータを用い、発がんリスクと100%果汁飲料を含む砂糖入り(加糖)飲料および人工甘味料入り飲料との関係を前向きに追跡して調べた。追跡期間の中央値は5.1年である。

 期間中に2193人が初めてがんを発症。内訳は、乳がんが693人、前立腺がんが291人、大腸がんが166人などで、診断時の平均年齢は58.5歳だった。

 がんと加糖飲料の消費量との関連を調べた結果、消費量が1日100ミリリットル増加するごとに、全がんリスクが1.18倍へ有意に増加。同じく乳がんリスクも有意に1.22倍へ上昇した。

 乳がんについて、閉経前、閉経後で詳しく解析した結果、閉経前の方が加糖飲料の消費量が少ないのにも関わらず、閉経後よりも影響を受けやすい傾向が認められた。

 また、一般に健康に良いとされる100%果汁飲料でも、1日の消費量が100ミリリットル増加すると全がんリスクが1.12倍に有意に上昇することが判明している。

 100%果汁飲料は、お手軽に必要な栄養素が取れるとして人気だが、最近の研究では「精製穀物」と同じく血糖の上昇を抑える食物繊維が除去されているため、健康リスクが高いという認識が広まっている。今回の研究結果でもそれが裏付けられたようだ。

 一方、人工甘味料入り飲料との関係は認められなかったが、研究者は「サンプル数が少なかったため」として結論を急がず、「今後、他の大規模調査で再検証する必要がある」としている。

 欧米では健康リスクを回避するために、加糖飲料に「ソーダ税(肥満税)」を課す国と地域が増えている。予防医療が重視され始めている昨今、日本でも同じ動きがないとも限らない。

 加糖飲料好きの方は「その日」が来ても慌てないよう、徐々に無糖飲料へ置き換えていこう。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)