「英語が全然話せない」「皆の会話に入れない」「会議で一言も発言できない」。ネイティブを前にしたとたん、「英語が通じない」と悩む日本人は多くいます。一方で、日本人と同じく、英語でハンディがあるはずの非ネイティブは、うまくやっています。なんと、ビジネス英語には、非ネイティブが身につけるべき「絶対ルール」が存在したのです。
1年2ヵ月売上ゼロで窮地に追い込まれた著者が、今ではネイティブを部下に持ち、15か国以上の外国人プロフェッショナルをマネージするきっかけとなった、非ネイティブが実践しているテクニックを『非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』にまとめました。学生時代に学んだ単語でじゅうぶん。使えるフレーズを多用し、ポジティブで丁寧な言い回しを意識すれば、英語での会話は怖くありません。「こんなとき、なんて言えば?」があっという間になくなるキーフレーズを中心に紹介します。

【問題】「Great to meet you again.」のどこが間違い?久しぶりに会ったときの挨拶、第一声はなんて言う?

「Long time no see!」はNG。
ビジネスで適した挨拶とは?

 海外での挨拶は「大きな声で元気よく」が基本ですが、久々に会う人に対しては「もっと大きな声で元気よく」です。ネイティブは、欧米人に比べてアジア人がシャイなことを知ってはいるのですが、久々に会ったときのリアクションが小さいと「うれしそうじゃない」と感じます。

 なぜかというと、「うれしいと感じる心は万国共通で、その気持ちはあふれ出るもの」だと思っているからです。

 それを理解している非ネイティブは、ネイティブと久しぶりに再会したときは、大げさすぎるほどに喜びを表現します。こうすることで、信頼関係が薄れていないことを再確認させ、相手の気持ちをオープンにします。これからも仲よくしたい気持ちがあるなら、大きなリアクションを取るべきです。私も大げさに喜びを表現するのは気恥ずかしくて昔は躊躇していましたが、「Practice makes perfect.」(習うより慣れろ)で、大げさにリアクションを取っていくうちに結構できるようになりました。

 ちなみに、友人同士でよく使われている「Long time no see!」(久しぶり!)はカジュアルな表現なのでビジネスではNGです。

【問題】「Great to meet you again.」のどこが間違い?

 会社の人でも友達のような間柄であれば、親しげな言葉を使うことで距離をグッと縮めることが期待できます。しかし、ビジネス英会話としては、「Long time no see!」は気さくすぎます。何度か会って親しくしているクライアントだとしても、このカジュアルな表現を使うことには違和感があります。

「Long time no see!」の代わりにビジネス英会話として使うなら、「Great to see you again!」「It’s nice to see you again.」「It’s beena while.」といった表現のほうが失礼に当たりません。どんなに友達のように仲よくなったと感じたとしても、クライアントに対しては敬意をなくす表現を使わないのが、グローバル社会で生きる非ネイティブ式です。

 なお、初めて会う場合は「meet」、2度目以降の場合には「see」を使います。2度目以降に会う場合は「meet」を使うことができないというのは、意外に知らない人が多いので気をつけましょう。

 2度目なのにうっかり「Great to meet you again.」や「Nice to meet you again.」と言ってしまうと、相手の外国人は「以前に会ったことがあるのに覚えていないんだな」と誤解します。

 逆に、初めて会う相手に「Happy to see you.」と挨拶すると、「あれ、以前に会ったことがあるのかな?」とちょっとした単語のチョイスで混乱させてしまいます。「会う=meet」だけではないことを覚えておいてください。

 日本のことわざにある「親しき仲にも礼儀あり」と同じような意味の英語のことわざがあります。「A hedge between keeps friendship green.」で、直訳すると、「間に垣根があるほうが友情が保たれる」という意味です。クライアントや上司には、どんなに仲よくなっても、どこか尊敬の気持ちを込めた表現を使いましょう。