教員採用試験が本格化。本記事では、元NHKアナウンサーで、現在7刷3万8000部超のベストセラー『全試験対応!直前でも一発合格! 落とされない小論文』の著者、「ウェブ小論文塾」代表・今道琢也氏が、入試や就活で必ず問われる「志望理由」で陥りがちなミスについて、お伝えします。(構成:編集部 今野良介)

「そこでなければならない理由」が問われている

大学の推薦入試、AO入試、就職試験などを受ける際に必ずと言っていいほど問われるのが「志望理由」です。事前提出書類に含まれている場合もありますし、小論文試験の中で問われる場合もあります。

私は、これまで何百枚もの志望理由を添削指導してきましたが、そもそも「志望理由」という言葉の意味を理解できていない答案が大変多いのです。

たとえば、次の例を見てください。

【問】本学外国語学部を志望する理由を述べなさい

【解答例1】

私は英語に強い関心があります。そもそも英語に関心を持ったのは中学生の時で、アメリカにホームステイをしたことがきっかけです。その時は英語力がなく、周りの人と十分なコミュニケーションが取れずに悔しい思いをしました。日本に戻ってからは英語の勉強に力を入れ、今では一番好きな教科になっています。近年、多くの外国人が日本を訪れるようになり、英語の必要性がますます高まっています。貴大学外国語学部で一生懸命学び、英語力に磨きをかけたいと考え志望しました。(了)

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さて、この解答のどこに問題があるのか、指摘できるでしょうか?

「なぜ英語を学びたいのか」は書かれていますが、「なぜこの大学・学部で学びたいのか」が何も書かれていないのです。採点者の立場からすれば、「英語を学べる大学なら、他にもいくらでもありますよね」という話になります。こういう書き方をしてしまう人が、大学入試、就職試験問わず、実に多いのです。

「志望理由」とは、「なぜその大学・学部を志望するのか」。言い換えれば「なぜ他の大学の外国語学部ではダメなのか」ということです。そこがはっきりわかるように書かなければなりません。

では、次に改善例を示します。

【解答例2】

私は貴学部で、実践的な英語力を身につけたいと考え志望しました。貴学部では大半の授業が英語によって行われており、ネイティブ教員の授業も多く行われています。また、学内の語学センターではTOEIC等各種試験の対策講座を受講できる上、資料も豊富にそろっています。これは私にとって最適の学習環境です。この環境を活かして勉学に打ち込み英語力に磨きをかけたいと考えています。(了)

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こちらの文章は、「この大学・学部でなければならない理由」がはっきりと示されています。これならば「なるほど、だから本学で学びたいのか」と採点者も納得できるでしょう。

就職試験も同じで「なぜこの企業でなければならないのか?」を、はっきりとわかるように書くことが大事です。「志望理由」とはどういう意味なのか、何を書かなければいけないのかを、初めにはっきりと意識しておいてください。

Photo: Adobe Stock

志望理由書に限らず、エントリーシート全般、小論文試験、すべてに共通するのは「何が問われているのかを把握してから書く」ということです。

『落とされない小論文』では、18の頻出テーマの対策や、大学入試、就職試験で活用できる、小論文試験に一発合格する必要最低限の情報を凝縮して伝えています。ぜひ、直前対策に、そして基礎力の養成に使い倒してください。