9月3日に習近平は中央党校(国家行政学院)で行った講話で、「中国共産党の創立、中華人民共和国の成立、改革開放の実施、新時代の中国の特色ある社会主義事業はみな闘争の中から生まれ、闘争の中で発展し、闘争の中で大きくなった」と述べ、「闘争」という言葉を多用した。習は講話の「中国共産党の指導と社会主義に危害を与える各種のリスク・試練」「わが国の主権、安全、発展の利益に危害を与える各種のリスク・試練」「わが国の2つの100周年の実現、中華民族の偉大な復興の実現に危害を与える各種のリスク・試練」としており、それらに対して「断固として闘争し、勝利を収めよ」と述べて、党員に危機意識をもって仕事に当たることを求めた。

 こういう講話をした習の狙いは、現在の中国が中米貿易摩擦による経済減速や香港の問題などを抱えており、中国共産党が掲げた「小康社会の全面的完成」に向けて党員・幹部がしっかり職務に励むよう求めるためである。

 習は毛沢東の思想の影響を受けて「闘争」を強調した。毛の思想は「闘争の思想」であり、党内の教条主義傾向を打破するために思想闘争を展開した。また毛は、世の中は矛盾に満ち溢れており、それを解決して社会が進歩すると考えていた。中国の政策文書には、今も社会の「矛盾」といった言葉が見られるが、それは毛沢東の思想を反映したものである。

「マルクス主義を学べ」
社会主義化する中国経済

 経済に目を転じると、習政権の経済政策は「社会主義色」が強くなったといわれている。改革開放に転換してから、中国は国の経済レベルを上げるために、資本主義国のものを積極的に取り入れた。

 市場経済下の経済運営を分析するのにプラスになることから、欧米の経済学が影響力を持ち、資本主義の分析などを論じるマルクス主義政治経済学の影響力が低下し、大学のマルクス主義専門は就職しにくいとして学生に敬遠された。

 習近平は清華大学で勉強していたとき、マルクス主義の専門だったためか、イデオロギー重視の態度をとり、「マルクス・レーニン主義、毛沢東思想を絶対に捨て去ってはいけない」と主張し、総書記就任後にマルクス主義哲学と政治経済学を学ぶよう提唱した。このことから、中国は政治・経済面で社会主義要素を重視するようになった。