国保の加入者は、平均年齢が52.9歳と他の保険者の加入者と比較して高く、加入者1人当たり年間平均所得は86万円と低い(2017年度の数値)。

 他の医療保険をみると、それぞれ加入者の平均年齢と1人当たり平均所得は、協会けんぽ(加入者数3893万人)が37.5歳、151万円、組合健保(加入者数2948万人)が34.9歳、218万円、共済組合(加入者数865万人)が33.0歳、242万円である。国保財政の厳しさは想像に難くないだろう。

 平均年齢が高ければ疾病にかかる確率も高くなるため、医療費も当然に大きくなる。加入者1人当たりの年間医療費は、協会けんぽ17.8万円、組合健保15.8万円、共済組合16.0万円に対し、国保は36.2万円である。

 その一方で、国保加入者は平均所得の低さなどから保険料の負担能力に限界があるとされ、保険料の収納率低下が長期的な問題になってきた。

「収入が少なく支出が多い」という状況下にある国保には、制度として公費(税)が大規模に投入されている(2020年度予算の概算要求ベースで約4.7兆円)。

 また、国保には65歳から74歳の前期高齢者が偏在していることから、その分の不均衡を調整する仕組みとして、協会けんぽや組合健保、共済組合から大規模な資金移転も行われている(これを前期高齢者交付金といい、2020年度予算の概算要求ベースでは約3.7兆円)。

 だが、それでも財源は不足し、その分を市町村財政からの法定外繰入(想定外の税投入)や繰上充用(翌年度収入の先食い)で賄ってきた保険者が多い。

同じ医療費でも
保険料負担には大きなバラツキ

 国保全体としての財政的な厳しさに加えて、国保の保険者同士でも格差がある。

 市町村合併がかなり進んだとはいえ、現在でも被保険者数が3000人未満の小規模国保が4分の1を占めていることなどが背景にある。

 保険料率の格差の現状を示したのが、図表1だ。

 2016年度の全国約1700の市区町村について、横軸に医療費の地域差指数(1人当たり医療費について人口の年齢構成の相違分を補正し、全国平均を1として指数化したもの)をとり、縦軸に標準化された国保の保険料水準(全国平均並みの所得の人の保険料を表しており、全国平均が1)をとったものである。