哲学者や宗教家が取り組んできたこと

 僕は、最近、1冊の本を書きました。
 この本のタイトルは『哲学と宗教全史』となっていますが、本日の登壇者・デイヴィッド・クリスチャン先生(マッコーリー大学教授および同大学ビッグヒストリー研究所所長)が最近書かれた『オリジン・ストーリー 138億年全史』(筑摩書房)の138億年には遠く及ばないのですが、過去3000年にわたってこの地球上で人間が考えてきたことをまるごと理解しようということで、紀元前1000年のゾロアスターから始めて、現代のレヴィ=ストロースに至るまで、西洋・東洋・イスラム世界を問わず、すべての哲学と宗教を積み上げて、1冊の本にまとめたのです。

 この本の冒頭「はじめに」の20ページ足らずで、デイヴィッド先生がいわれた「ビッグヒストリー」をかけぬけてしまったのですが、ここに何を書いたかといえば、人間がこれまで考えてきたことのベースは、

●我々はどこから来て、どこへ行くのか?
●我々は何のために生きているのか?

 この問いに答えることが、おそらく哲学者や宗教家が取り組んできたことだと思います。

 現在では、我々はどこから来て、どこへ行くのか?については答えが出ています。

 我々は、星のかけらからできていて、死ねば星のかけらに戻っていく

 我々は、何のために生きているのかといえば、人間は動物ですから、次の世代のために生きている

 先ほど、デイヴィッド先生が最後に2人のお孫さんの写真を見せておられました。
 僕も1948年生まれですから、2人のかわいい孫がいます。
 やはり、次の世代にこの地球をいかに残していくかということが、我々が生きている意味であり、それはスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリ(2003年1月3日生)が活動していることと同じであると思います。