たとえば年収700万円の人(フルタイムの共働きで子どもは高校生1人、税務上の扶養家族は1人)が月2万円積み立てると、節税額の合計は年4万8600円。

 このうち、年末調整で戻る所得税は2万4600円で、住民税についてiDeCoやマッチング拠出をしなかった場合に比べ、給与天引き額が翌年5月から毎月2000円少なくなる(=手取り額が月2000円増える)。

 所得税は年末調整で戻ってくる分を貯めるといい。しかし、住民税はまとまって戻ってくるわけでなく、毎月住民税が少しだけ減る仕組みのため、月2000円だと、なんとなく使ってしまいそうだ。

 私がお勧めするのは「年末調整のときに所得税だけではなく住民税の節税分もまとめて貯める」プランである。

 年末調整は、その年の給与から源泉徴収された所得税の過不足を調整するもの。所得税は毎月少しずつ多めに源泉徴収されているため、年末調整の際に収めすぎた所得税の還付を受けられるケースがほとんどなので、iDeCoやマッチング拠出以外にも年末調整で還付される分はある。その分を充てることにすれば「住民税も合わせて年末調整時に貯める」プランは実現可能だ。

 先のケースでは、節税額は年4万8600円。たとえば40歳から60歳まで節税分を貯めると、20年間で元本だけでも約97万円を老後資金に上乗せすることができる。年齢とともに収入がアップすると、節税効果も高まりさらに貯めることが可能になるだろう。

 節税額を何となく使ってしまわないように「年末調整のときに貯める」と決め、年中行事の一つにすることをお勧めする。ちょうど、年末調整の時期。今年の年末調整は、さきの試算表を参考に「節税額」をしっかり貯めよう。これまでしなかったことを実行に移すと、マネーリテラシーが上がった気分になり、自信がつく。ぜひ、お試しあれ。

(株式会社生活設計塾クルー ファイナンシャルプランナー 深田晶恵)